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台北観光サイト

特別展「山水合璧-黄公望と富春山居図」

アンカーポイント

発表日:2011-06-26

更新日:2019-09-10

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イベント日時
場所
台湾台北市北投区
「富春山居図」は、元代四大画家の一人である黄公望(1269-1354)が晩年に描いた入魂の傑作で、中国絵画史上比類ない名蹟です。本作は、五代の董源、巨然の画風を継承しています。同時代の趙孟頫に師事した黄公望は、書法の筆法をもって絵画を描き、抒情や写意による文人画の精神をもって水墨画の新境地を切り開きました。また、明清以降の山水画にも影響を与え、中国文人画の伝統に先人の技術を受け継ぎつつ新たな道を切り開くという重要な理念が生まれました。

「富春山居図」は、元代順宗至正10年庚寅(1350)に描かれた作品です。この時、黄公望は82歳でした。清代世祖順治7年庚寅(1650)にまで伝えられ、収蔵者であった雲起楼主人呉洪祐(問卿)が臨終の際に、この巻を自身とともに焼くようにと遺言しましたが、幸いにも家人によって火の中から拾い出されて焼失の危機を免れました。しかし焼け焦げてしまったために、前後二つに切り離されました。前半の「剰山図」は横51.4cm、現在は浙江省博物館の重要なコレクションの一つとなっています。六紙をつないだ後半は横636.9cm、清代高宗乾隆11年(1746)に内府に収蔵され、現在は国立故宮博物院所蔵の国宝級作品として知られています。360余年間、この二作品が同じ場所で展示されることは一度もありませんでした。この度の特別展では、浙江省博物館から「剰山図」を借り受け、この至宝とも言える二作品を合わせて展示し、「富春山居図」本来の姿を再現します。この機会にこの傑作と黄公望について余すところなくご覧ください。

黄公望は南宋時代度宗咸淳5年(1269)に生まれました。江蘇常熟の出身で、字は子久、号は大癡。家柄が低かったにもかかわらず、努力を重ねて広く学問を修めた、多芸多才な人でした。若い頃は、江浙等処行中書省で文書を扱う書吏を務め、中年時に推薦を受けて都に上り職に就きましたが、ある事件に連座して投獄され、出獄後は立身出世をあきらめて帰郷し、道士を生業としながら絵画の創作に励みました。その間、しばしば蘇州や杭州、松江、富春などの地を訪れ、各地を遊歴した際に見た風景を心中の山河として表現し、「富春山居図」等の作品を描いて後世に絶大な影響を与えました。元代順宗至正14年(1354)に86歳で世を去った黄公望は故郷に埋葬されました。

この度の特別展は二期に分けて行われます。第一期には、「富春山居図」の剰山図巻と無用師巻が展示されるほか、「黄公望の書画名蹟」、「富春山居図臨倣本」、「黄公望─師伝と交友」などの展示もあります。第二期には、「明清時代における黄公望の影響」、「黄公望伝称作品」などの展示がご覧になれます。展示内容を充実させるため、中国の北京故宮博物院、国家博物館、上海博物館、南京博物館、雲南省博物館、台北市の個人所蔵品から、黄公望のその他伝世書画及び「富春山居図」臨倣本を借り受け、合わせて展示いたします。黄公望の芸術やその影響の全貌をご覧いただくことにより、黄公望と「富春山居図」によって啓発された文人画の精神について理解を深めていただけるでしょう。

※ 「山水合璧─黄公望と富春山居図特別展」フェイスブック ファンページ

第一展期 | 2011 6/2 - 7/31 
第二展期 | 2011 8/2 - 9/5

主催: 国立故宮博物院 
℡: (02)2881-2021
イベント会場: 国立故宮博物院210、 212展示室
イベント時間: 2011-06-02 ~ 2011-09-05

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