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1930年代末に建てられた梅庭は、「一代草聖」と呼ばれる于右任氏が避暑地として過ごした別荘で、現在は市定歴史建築物になっています。特殊な日本式の木造建築、地下には太平洋戦争初期のタイプの鉄筋コンクリート防空シェルターが残されています。庭の外壁は胸壁式構造で、裏庭には緑の木が茂り、さらさらと流れる北投渓を眺めることができます。入口の柱には于右任氏による「梅庭」という文字の刻印が掛けられています。

「梅庭」は戦争の時代を見つめてきた2階建ての日本家屋で、地形に沿って建てられています。中山路から正面に見える日本式の木造建築が2階になります。壁の施工には工夫が凝らされており、防湿用のモルタル壁による仕切り、木格子の内側には「赤土や砂」が塗られ、外側は漆喰で仕上げられています。外観は石の土台、魚の鱗のような壁のパターン、いぶし瓦、木の櫺子（れんじ）が使われた建築様式になっています。裏庭に直接繋がる1階は鉄筋コンクリート構造で、防空シェルターとして使用されました。その日本式の建築構造と地下シェルターが正面にある大型の防空壕の意義と相まって歴史的な価値がもたらされています。