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きらきら輝く水辺へ 河浜公園を遊ぶ 素晴らしいひととき (TAIPEI Quarterly 2017 夏季号 Vol.08)

アンカーポイント

発表日:2017-07-14

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きらきら輝く水辺へ 河浜公園を遊ぶ 
素晴らしいひととき
文 _ 林盈足 写真 _ 黃建彬、楊智仁

川沿いの河川敷に生まれた「河浜公園」はいま、台北の29カ所で整備されています。川や緑地に加え、互いに連絡する自転車道も開通。それぞれ特色を持つ河浜公園は、地元の人々の習慣や暮らしにとけ込み、都市の新しい光景として進化しています。
TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   きらきら輝く水辺へ 河浜公園を遊ぶ 素晴らしいひとときTAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   きらきら輝く水辺へ 河浜公園を遊ぶ 素晴らしいひととき
▲ 大佳河浜公園:砂場や遊具など設備の整った、楽しくて心温まる親子の楽園になっています。(写真/黃建彬)

親子で楽しもう 大佳河浜公園
いつもの夕陽にいつもの川、けれど台北の河浜公園の姿は細かく移り変わり、人との距離もどんどん縮まっています。柯文哲市長は2014年に就任してからというもの、人々の意見を聞きながら、「ベストよりベター」を目指して河川敷活用計画をブラッシュアップしています。基隆河に架かる大直橋の南西側に整備された大佳河浜公園はその好例です。
「パパ、恐竜がいたよ!」、「みてみて、家ができたよ!」——休みの日に親子の楽園をテーマにした大佳河浜公園を訪れると、鈴のようによく響く、可愛らしい子供の笑い声があちこちで聞こえてきます。ここには滑り台やブランコ、遊べる噴水など遊具や設備が整っていますが、子供たちに一番人気なのは何といっても砂場です。
「障がいを持つ子供も一緒に楽しめるような手立てはないでしょうか」——数年前に福祉団体から何気なく上がった声を、台北市工務局が忘れることはありませんでした。専門家や研究者との議論を重ね、ユニバーサルデザイン遊具の整備計画をスタート、砂場はその第一歩でした。2017年4月4日の児童節(子供の日)を目前に、台湾で最大規模の砂場がついに完成。親子滑り台や、クライムロック、考古体験のできる恐竜の化石に加え、砂を掘る簡単なブルドーザー、大人の目の高さで子供の見守りができる砂場の中のテーブルなど、ユニバーサルデザイン遊具を導入し、障がいのある子供でも存分に遊ぶことができるようになりました。
砂場を皮切りに、これからまだまだ公園の遊具や設備をよりユニバーサルなデザインのものに改良し、真に誰もが楽しめる公園となることが期待されています。

甘い愛情 成美河浜公園
TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   きらきら輝く水辺へ 河浜公園を遊ぶ 素晴らしいひととき
▲ 成美河浜公園:成美河浜公園は愛をテーマに、甘いムードを演出。(写真/黃建彬)

大佳河浜公園から基隆河沿いに上流へ行けば、真っ赤な彩虹橋で両岸が結ばれています。ここを越えて少し行った両岸の河川敷が愛をテーマに整備された成美河浜公園。カップルに人気のデートスポットとなっています。
日の高いうちは、自転車に乗った恋人たちが、各国語で愛の言葉を描いたアスファルトの上を駆け抜け、手と手を取り合い彩虹橋を越えて行きます。夜になると近くのナイトマーケット、饒河街夜市で食べ物を買って、川沿いにあるLOVEの字をかたどった石のベンチに腰をかけ、彩虹橋を彩る七色のネオンを見たり、両岸の街灯に美しく照らされた水の道を歩いたり、ささやき合いながら甘いムードを楽しみます。
たくさんの恋人たちが、永遠に解けない愛に願いを込め、愛を誓う南京錠をここに掛けていきます。鍵を川の中に投げ入れてしまう人もいるので、金属で川が汚染されないよう、ここを管理する工務局はそばに設置した愛のポストに入れるよう呼びかけています。解けない愛を願うと同時に、川の生態系を汚染から守るためです。こうして、成美河浜公園を愛を守る聖地にしていると同時に、その甘い愛情を生き物を守る愛の大使として役立てたい思いが込められています。
結婚写真の聖地 古亭河浜公園
成美河浜公園が愛のスタートを象徴するなら、古亭河浜公園は愛が結んだ花で彩られた神聖な殿堂と言えるでしょう。
情熱的な赤や紫のアンゲロニア(エンジェルラベンダー)、鮮やかな黄のメランポジューム、優雅なコスモスのじゅうたん——夏から冬まで、不定期にテーマごとの花のじゅうたんが登場します。近くには結婚写真の撮影場所として有名な「自来水博物館」があり、近隣では貴重な青々とした芝生に恵まれていることから、この公園も台北で人気の結婚写真の撮影スポットとなっています。
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▲ 古亭河浜公園:隣接する自来水博物館とともに結婚写真撮 影の絶好のスポットとなっています。(写真/楊智仁)
 
公園の整備にあたり、結婚を控えたカップル、結婚写真を手掛けるスタジオやカメラマンの意見を取り入れ、愛のアーチや幸せのベル、青と白の風車、楽隊、おめでたい「囍」の字など、結婚を祝うオブジェを撮影用に設置しました。ここが撮影に使われるようになってから、多くのカメラマンが「カップルは大喜びで撮影したはいいものの、いざ選ぶ段になって、よく撮れた写真が多すぎて選びきれない、と嘆くんです」と笑います。

歴史と文化 延平河浜公園
風に吹かれて自転車に乗り、忠孝橋と中洲ポンプ場の間の堤防に沿って淡水河の川べりを行くと、タイルで描かれた大稲埕の街の様子が目に入ります。ここが延平河浜公園です。
水門には「大稲埕碼頭(大稲埕ふ頭)」の金色の文字が踊り、ヴェールのかかった過ぎ去りし時代を思わせます。人々の心にいまもなお生き続けるかつての輝きを彷彿とさせる、縮小版の唐山帆船(かつての台湾の貿易に使われた帆船)が置かれ、台湾の商業貿易の中心だった大稲埕の歴史を伝えています。
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▲ 延平河浜公園:延平河浜公園は大稲埕の文化や歴史をテーマに、ここだけの意義や光景を作り上げています。(写真/黃建彬)

歴史を語ってくれるだけでなく、風によって角度が変わり光がきらきら反射するウォールも古くからの下町に新しさを添えています。金属片を散りばめた壁面は風で角度を変え、光の反射で輝く「TAIPEI」の文字にひかれてあちこちから自転車に乗って写真を撮影しに来る人が絶えません。「もっと手を高く伸ばして」、「1、2の3でジャンプね」など、古くからの台北人や若い人々が、こうやって素晴らしい思い出を写真に残しています。
河浜公園は台北市民に新たな憩いの場所を提供しています。広々とした空間や緑地、それぞれのテーマに合わせて作られた環境だけでなく、生態系の保全や水はけを確保するなど、さまざまな機能を持つよう整備されています。密集した都市の中で貴重なホッとする空間——安心してのびのびと素晴らしいひとときを過ごせる場となっています。

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