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深い海に洗われたふくよかなカキ 美味しいカキ料理台北で楽しもう (TAIPEI Quarterly 2017 夏季号 Vol.08)

アンカーポイント

発表日:2017-07-14

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深い海に洗われたふくよかなカキ
美味しいカキ料理台北で楽しもう
文 _ 焦桐 写真 _ 焦桐、楊智仁

『中国時報』で働いていた10数年の間には、よく「布袋鮮の蚵」と「陳記腸蚵専業麺線」でカキを味わったものでした。どちらも台北市の万華と新北市の板橋をつなぐ華江橋のたもとにあるお店です。

粒ぞろい たまらない美味しさ
「布袋鮮の蚵」の料理はほぼステンレス食器に盛られています。ここで使われているカキは台湾で普段見られるものよりかなり大ぶりで、よく肥えて新鮮です。カキのお好み焼き風「蚵仔煎」やカキスープ「蚵仔湯」、片栗粉をまぶしたカキをさっと湯がいて調味料とあえた「乾拌蚵」などどの料理も魅力的です。「蚵仔湯」は巷でみられるように、ショウガ、九層塔(台湾バジルと呼ばれるハーブ)、揚げたエシャロット、台湾セロリなど香味野菜で味を整えていますが、カキがふっくらとしているからこそこんなにも美味しいスープになるわけです。カキをそのまま生かした「乾拌蚵」は言うまでもありません。「蚵仔煎」は、片栗粉ばかりにならないよう溶き卵をたっぷり使います。個人的に思うのは、一般のお店では片栗粉を使いすぎて水っぽく、こういう悪しき習わしが積み重なることで、「蚵仔煎」の美味しさが損なわれています。
目と鼻の先にあるカキ入りとろみスープ麺のお店、「陳記腸蚵専業麺線」のカキもよく肥え、モツ(大腸)もしっかり煮込まれ、香り高く食べごたえがあります。中国の神話に登場する美女‧嫦娥(じょうが)を看板にあしらっているのは、カキとモツを表す「腸蚵」の発音にちなんだもので、ダジャレ感がありますが、それでも麺は本当に美味しいです。別々に仕込まれたそれぞれ個性あるモツとカキが、最も素晴らしい形で一つの碗の中で出会い、仲良くマッチしています。
TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   深い海に洗われたふくよかなカキ 美味しいカキ料理台北で楽しもう
▲ 東石順記の「蚵仔炒飯」。(写真/楊智仁)

最高の美味しさを産地直送
「東石順記」の海の幸たっぷりのお粥「海産粥」、カキチャーハン「蚵仔炒飯」、「蚵仔煎」も見事なもので、カキが絶妙の味わいを出しています。お粥にはエビや魚、ハマグリ、イカなどが惜しげもなく使われ、食べごたえがあります。カキチャーハンは、熱すると水分を出すカキで作るため水気の調節が難しく、ちょっとうっかりするとべちゃべちゃしてしまいます。
台湾南部、嘉義の東石漁港はカキの水揚げ量が多いことで知られ、東石出身の店主はこれを看板に、毎日ふるさとから新鮮なカキを取り寄せています。店先の屋台にはさばいた虱目魚(ミルクフィッシュ)がきれいに並べられ、ハマグリやエビ、イカ、カキが調理されるのを待っています。鍋がぶつかる音はまるで美味しさを知らせてくれているよう。ときどき注文するミルクフィッシュの焼き魚は大物で、選りすぐって仕入れていることがよく分かります。この魚は脂がよく乗っているため、煮魚より焼き魚にしたほうが、脂を加熱したいい香りがすると思い、家で作るときには焼き上がりにレモンの皮を添えます。もちろん魚のかぶとにも目がない私は、時間がある時に買って家で煮込んだりします。うちの娘にとっては「おやじの味」といったところでしょう。
TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   深い海に洗われたふくよかなカキ 美味しいカキ料理台北で楽しもう
▲ 東石順記の「海産粥」。(写真/楊智仁)

布袋鮮の蚵
和平西路3段198号(華江橋そば)
(02)2308-3463
陳記腸蚵専業麺線
和平西路3段166号
(02)2304-1979
東石順記
西昌街104 号
(02)2381-3535
本編は台北市観光伝播局の書籍『味道台北旧城区(台北下町の味)』からの抜粋です。美食を訪ね、追求して10年余になる作家‧焦桐さんが艋舺、大稲埕、大龍峒などを半年かけて自らめぐり、中から167軒の店を厳選しました。旅人を台北の懐かしい味の探索へと誘います。
『味道台北旧城区(台北下町の味)』
焦桐著/定価250台湾元/台湾全土の大型書店で購入できます

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