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2017年台北ポエトリー フェスティバル- 時代のまなざし 都市の輝き (TAIPEI Quarterly 2017 秋季号 Vol.09)

アンカーポイント

発表日:2017-09-14

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2017年台北ポエトリー
フェスティバル

時代のまなざし 都市の輝き

写真 _ 台北市文化局

台北市文化局主催の「台北ポエトリーフェスティバル」は、毎年台北の秋を詩の魅力でいっぱいにするイベントです。2017年のキュレーターは詩人の鴻鴻さんと楊佳嫻さんで、「時代のまなざし、都市の輝き」がテーマです。期間は923日から108日まで、台北市の中山堂、誠品書店松菸店(松山文創園区内)、納豆劇場、紀州庵文学森林、孫運璿科技人文紀念館、集思台湾大学会議センター、ダックステイホステルなどが会場となります。このイベントは「時代の精神」から出発し、詩によってより広い人間性を持つ未来の国のあり方を想像するものです。さらに詩を愛する人たちを、時代の精神の発掘と都市の輝きの発見、そして文学のさまざまな可能性の探索へと導き、共にこの時代の証人となることを目指しています。
台湾系米国人の詩人、ケリー・ツァイ(蔡仁儀)さんを台北に招聘します。
 ▲台湾系米国人の詩人、ケリー・ツァイ(蔡仁儀)さんを台北に招聘します。
 

時代の精神をとらえる
口語詩人

昨年に続き、今年も「詩人レジデンス・プロジェクト」で9月中旬に台湾系米国人の詩人、ケリー・ツァイ(蔡仁儀)さんを台北に招聘します。米国でその名を知られる蔡さんは、ホワイトハウスとリンカーン・センターに招かれて舞台に立ったこともあります。米国で注目される現代の口語詩人であるだけでなく、これまで分野を横断する700以上のステージで詩と詩、演劇、映画など異なる芸術形式を融合させたパフォーマンスを成功させてきました。まさにこれこそ台北ポエトリーフェスティバルの核心です。このような成果によってアジア系女性を代表する存在となった彼女は、台湾の歴史に対しても関心を寄せ続けています。滞在期間には特別講座のほか、台湾のために特別に準備した詩で演じる一人芝居「Formosa」の新バージョンが上演されます。本作品は19601980年代、バービー人形が生産された台湾・新北市の泰山地区を舞台に、外省人を親に持つ台湾人の目を通じてグローバル化、美しさ、整形、文化的アイデンティティなどのテーマを描き、同時にアジア人に向けられた西洋人のまなざしを批判します。「Formosa」はロウアー・マンハッタン・カルチュラル・カウンシルの助成を受け、2012年から現在まで演じられ続け、好評を得ています。
台北ポエトリーフェスティバルは毎年国内外から多くの詩人を招待し、愛好家たちに交流の場を提供しています。
▲台北ポエトリーフェスティバルは毎年国内外から多くの詩人を招待し、愛好家たちに交流の場を提供しています。

楽しい趣向を凝らした「分野横断的な詩のアクション」は、毎年フェスティバルで人気のコーナーです。

▲ 楽しい趣向を凝らした「分野横断的な詩のアクション」は、毎年フェスティバルで人気のコーナーです。
 

世界の詩人が
都市の輝きをもたらす

今年はナイジェリア、ベトナム、香港、日本の詩人たちが台北で交流します。エフェ・ポール・アジーノさんはナイジェリアで有名なパフォーマンスアーティストであり詩人で、ラゴス国際ポエトリーフェスティバルの創設者兼総監督でもあります。その作品は歴史と現代都市における暮らしを軽やかに行き来し、独特のアフリカらしいムードに満ちています。日本からは、詩人であり劇作家、作家でもある平田俊子さんが来台。「現代詩新人賞」、「萩原朔太郎賞」、「晩翠賞」など多数受賞している彼女の詩は簡潔でクール、日本女性詩人の作風を変えただけでなく、日本現代詩にもうひとつの顔を与えました。作品は多くの言語に翻訳され、各国で愛されています。

香港の詩人、鍾国強さんは青年文学賞、香港中文文学ビエンナーレ賞、香港芸術発展賞アーティスト・オブ・ザ・イヤー賞(文学芸術)など重要な賞を獲得しています。彼の作品は生命と家族、そして家族の情愛をつなぐもので、また日常生活や社会体制について語り、繊細かつ情感にあふれた言葉でつづられています。ベトナムのバイリンガル詩人であるダン・サンさんは、ベトナムで最も革新的な精神を持つ人物とみられています。雑誌『詩人と作家』は「ダン・サンが称賛される点は、その極度に独特な個人的性格を備えた散文体と反逆のトーンにある」と書いています。さまざまな表現形式を網羅した彼の作品は、ベトナム文学の創作スタイルに重要な転機をもたらしました。今回のフェスティバルのために世界各国の詩人が台北に集まります。広く文化を見渡す視野を通じ、詩による時代の探索へと導いてくれます。
 

「ポエトリーショー」と
「分野を越えた詩の行動」

今年の「ポエトリーリーディング」は923日、中山堂中正ホールで行われるオープニングステージ「心の鏡──言葉を越えた詩の風景」です。詩をメロディにのせる名人である音楽家の羅思容さんが著名なミュージシャンを集め、詩人の葉覓覓さんによる映像、サウンドアーティストの澎葉生さんによるイメージ音楽が融合し、斬新なステージでフェスティバルの幕開けを飾ります。作品は林亨泰、杜潘芳格、陳千武、陳秀喜、詹冰、錦連、羅浪ら日本統治時代から戦後にかけて異なる言語で創作活動を行った詩人たちを描いたもので、情感あふれる音楽が私たちに台湾が忘れつつある文学を思い出させます。詩の輝きが歴史の底にある生活、そして時代の光を照らし出すのです。

分野横断的な詩のアクションの「詩人による制憲大会」は今年のフェスティバルの目玉であり、今年のテーマに合わせた重要なプログラムです。将来の平和な生活環境と社会のルールに対して、一般の人々に未来志向の詩的な想像を行ってもらいます。すでに作品募集を開始していて順次整理、選別が進められており、最終結果は101日のイベントで発表されます。当日、さまざまな世代と地域の8名の詩人によって選出と評価、修正が行われ、人々と共に未来の青写真を描き出します。

今回、イタリアから特別招待されたサウンドアーティスト、アレッサンドロ・ボセッティの「サウンドポエトリー:プールとスープ」も上演されます。異なる言語を話す一般の人々に参加してもらい、さまざまな言葉を巧みに調整して音楽に仕上げる作品です。台湾の暮らしを生き生きと描き出し、台湾の言語と音の多様なハーモニーを本当の意味で「聞かせ」てくれます。集中的なワークショップの後、最終日にステージでその成果が発表されますので、興味のある方はぜひ108日に音の力を感じに来てください。

今年の台北ポエトリーフェスティバルでは、講座、パフォーマンス、分野横断的な詩のアクションなどを台北各地で行います。「時代」と「都市」に焦点を当て、詩人が現実に向き合い、しっかりと大地を踏みしめつつ、かつ自由に想像力を羽ばたかせるその姿を際立たせます。このフェスティバルは米国、ナイジェリア、日本、香港、ベトナム、イタリア、そして台湾のクリエイターたちが詩と歴史、環境、言語文化、コミュニケーションなどとの間に相互に刺激し合い、文化のぶつかり合いを通じて過去と未来をつなげます。さらに観客との交流を通じて、互いの視野を広げるものとなることでしょう。台北ポエトリーフェスティバルであなたもこの時代を目撃してみませんか。
 

2017台北ポエトリーフェスティバル

🌟9/23(土)~10/8(日)

🌟0974-125-241

🌟FB臺北詩歌節
 

オープニングステージ
「心の鏡──言葉を超えた詩の風景」

🌟9/23(土)19:30

🌟台北市中山堂(台北市中正区延平南路98号)

🌟入場券:無料、9/8正午12時から中山堂またはチケットサイトKKTIXでオンライン配布。14枚まで。
 

ポエトリーシアター「Formosa

🌟9/29(金)19:30

    9/30(土)19:30
🌟納豆劇場(台北市西寧北路79号)

🌟入場券:無料、9/20正午12時からKKTIXでオンライン配布。11枚のみ。

「サウンドポエトリー:プールとスープ」

🌟10/8(日)13:0018:00

🌟大可居青年旅館(臺北市昆明街316號)

🌟入場券:無料、9/20正午12時からKKTIXでオンライン配布。12枚まで。
フェスティバルは愛好家たちに各種分野を越えた形式で詩を楽しんでもらい、有形無形の境界を越えて生活のさまざまなシーンとのつながりを生み出すことが狙いです。(写真は2016年のクロージングパフォーマンス)
▲フェスティバルは愛好家たちに各種分野を越えた形式で詩を楽しんでもらい、有形無形の境界を越えて生活のさまざまなシーンとのつながりを生み出すことが狙いです。(写真は
2016年のクロージングパフォーマンス)
台北ポエトリーフェスティバル

 

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