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創意をプラス─菜食料理にも味わい深さを (TAIPEI Quarterly 2018 冬季号 Vol.14)

アンカーポイント

発表日:2018-12-12

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創意をプラス

菜食料理にも味わい深さを

 

文/楊芷菡

写真/李鍾泉、楊子磊、林煒凱

TAIPEI 冬季号 2018 Vol.14 創意をプラス─菜食料理にも味わい深さを

 

一般人の「素食」(台湾のベジタリアン料理)に対するイメージは、単調で味気ない、または油が多すぎるというものでしょう。こうした既存のイメージを打ち破ろうと、創作中華料理や香港料理の素食レストランが革新的な調理方法や食材の組み合わせを続々生み出しています。油や塩分をできるだけ少なくすることを第一に、あっさりでも、こってりでも中華料理のエッセンスを十分に残した素食が登場しています。

 

素食なのに定番料理のおいしさ

現代人の食習慣や意識の変化に伴い、素食レストランへの路線変更が予想外のブームとなっています。20年以上にわたり北京ダックの店として知られてきた「北平金廚」は8年前にメニューを素食のみに変更。中国北方料理につきものの花椒風味を残しつつ、野菜から取っただしの自然の甘みをアピールしています。

看板メニューの「大餅捲時蔬」は、表面に少し焦げ目がついてパリパリになるように焼いた餅皮でキュウリと油条(揚げパン)、自家製ベジタリアンミートを巻いた料理で、小麦粉の香りが広がり、しっかりした歯ごたえの食感です。また大豆たんぱくにヤマブシタケ、黒豆豉(トウチ)、ゴシキトウガラシ、大紅袍などの食材で作ったXO醤で炒めた蘿蔔糕(大根もち)、ヘチマ、チーズなどを入れたグラタンからはスパイシーさを帯びた濃厚なクリームの香りが立ち上ります。

ブナシメジと豆腐を使った「避風塘双味」は誰もが大好きなサクサクした揚げ物のおいしさ。またヤマブシタケを紅こうじみそ、紹興酒に漬け込み、油で揚げた「紅麹猴菇焼」も絶妙な食感です。

 

香港式ベジ点心
自然の味わいを存分に

「養心茶楼」は台北初の香港式素食レストランです。飲茶や点心と中華料理を融合させたこだわりのメニューを提供しています。

パイ生地が幾重にも層になった「鬆化叉焼酥」は、トマトを使った自家製チャーシューソースと細かく切ってチャーシューに見立てたシイタケの餡が入っていて、ハチミツ入りの卵黄を塗って焼いた表面はサクサク、甘みのある餡のおいしさが口で広がります。「蘿蔔絲酥餅」は一見平凡な酥餅(中華パイ)に見えますが、ひき肉を使わず千切りの大根の自然なうま味が感じられます。「虫草花腸粉」は、刻んだエリンギとヒカマ(クズイモ)を米で作った網状の食材で包み、軽く揚げた後にさらに腸粉(米粉を蒸して作った皮)で包みます。薄くて柔らかい皮は口に入れるととろけるよう、素食版香港式点心の個性を上手く表現しています。

花椒とピーマンを煮込んだ薬膳「紅袍麻辣鍋」は、具に新鮮な野菜と、なめらかで歯応えのある山菜「香椿」で作った自家製のベジタリアンスペアリブを使います。トウキや髭人参を煮込んだ香り高く、おいしい薬膳スープは、驚くほどさっぱりとした口当たりで、繊細で飲みやすいものとなっています。


TAIPEI 冬季号 2018 Vol.14 創意をプラス─菜食料理にも味わい深さを定食の「豆腐套餐」はカシューナッツのスープがつき、豊かな味わいが楽しめます。(写真/林煒凱)
 

毎日手作りの「豆料理全席」

素食界では食材本来の味と手作りへのこだわりが新しいトレンドとなっています。「上善豆家」ではベジタリアンがタンパク質とミネラルを十分に取れるよう、毎日、新鮮な豆乳や乾燥豆皮(台湾風ゆば)、台湾東部の海洋深層水から取ったにがりを使用した豆腐、豆花(豆腐のプリン)を作っています。

定食の「豆腐套餐」は、メイン料理の「滷白菜佐豆腐丸子」(豆腐つくね入り煮込み野菜)に茹で有機野菜、トマト、カシューナッツを煮たスープが付き、さまざまな味を楽しむことができます。

伝統の枠を超えた創作素食レストランは、熟練の技とアイデアで多くの若者を引きつけ、豊富なメニューでその舌を満足させるだけでなく、身体にとってもヘルシーです。

北平金廚では旬の野菜を使って工夫を凝らした特色ある中国北方料理を提供しています。

 

北平金廚新蔬食料理

11:2021:00
士林区天母西路383
02-2873-8680

 

養心茶楼

11:3021:30
中山区松江路1282
02-2542-8828

 

上善豆家

07:3021:00
大安区復興南路一段10716
02-2731-6991

 

[レシピ]

鉄板訶仔

(北平金廚紹介)


TAIPEI 冬季号 2018 Vol.14 創意をプラス─菜食料理にも味わい深さを
 

材料

木綿豆腐

120g 

白シメジ

70g

フクロタケ

120g

碧玉筍(台湾タマチク)

1

おろしショウガ

1さじ

刻みセリ

1さじ

九層塔(台湾バジル)

少々

トウガラシ

2分の1本

素食用オイスターソース

れんげ2

乾燥黒豆豉(乾燥トウチ)

1さじ

砂糖

1さじ

香油(ごま油と大豆油のブレンド)

れんげ1

 

 

作り方

トウガラシをタテに半分にし、細かく刻む、碧玉筍は斜めに切って菱形状にする。木綿豆腐、白シメジ、フクロタケを沸騰した湯で2分間茹でて取り出す。

鍋を熱して油を敷き、おろしショウガ、刻みセリ、刻みトウガラシ、黒豆豉、碧玉筍を入れ、香油を加えて混ぜながら炒める。

素食用オイスターソースを入れてかき混ぜ、水を1カップと砂糖を加える。その後、茹でた木綿豆腐、白シメジ、フクロタケを鍋の中に入れ、3分間蒸し焼きにする。

鍋から料理を取り出す前に九層塔を入れた後、片栗粉を同量の水で溶いて鍋に加え、とろみを付ければ完成。
 

\調理のコツ/

最後のステップはすばやく。水溶き片栗粉を鍋に入れたらすぐにささっと混ぜる。動きが遅ければダマになってしまう。

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