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難病を乗り越え、自分と戦う 女子バレーのポイントゲッター 王欣選手 (TAIPEI Quarterly 2016 冬季号 Vol.06)

アンカーポイント

発表日:2017-03-23

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難病を乗り越え、自分と戦う

女子バレーのポイントゲッター
王欣婷選手

_ 謝瑩潔
写真 _ 王欣婷、台北市観光伝播局
2015年に開催された韓国‧光州ユニバーシアードで台湾選手団の旗手を務めた女子バレーボールの王欣婷選手は、すらりとしたプロポーションに女優の桂綸鎂(グイ‧ルンメイ)を思わせる爽やかでナチュラルな雰囲気をまとい、優雅に歩く姿はまるで有名モデルかと見まごうばかりです。恵まれた体格に加え、テクニックにも秀でた彼女は現在、台湾電力の社会人女子バレーチームでポイントゲッターを務め、2017年の台北ユニバでもその力を存分に発揮すれば、地元台湾チームの金メダル獲得に大きく貢献すると期待を集めています。
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 難病を乗り越え、自分と戦う  女子バレーのポイントゲッター 王欣   選手
▲ (写真/台北市観光伝播局)

難病に立ち向かう姿に
スポーツマンシップ賞

王選手はバレーボールを始めたきっかけについて「小さいころ、日本のアニメ『東洋魔女(アタッカーYOU!)』が好きだったことがきっかけで興味を持ちました。それで学校のチームに入って以来、今まで続いています」と話してくれました。しかし、これまでのバレーボール人生は決して順風満帆とはいきませんでした。高校3年生の時には長いスランプに陥り、自分のプレーに納得が行かず、たびたび涙を流したそうです。そのため高校卒業後、一度は競技から離れることも考えましたが、父親に諭されてコートに立ち続けることを決めたといいます。
そして2009年、王選手は国の強化選手に続いて、台湾代表にも選ばれます。彼女のバレー人生は前途洋々に見えました、しかし、そんな矢先の2013年、彼女は突然「多発性硬化症」という難病を患っていると診断されました。「この病気は視神経に影響が出るため、焦点が合うのが遅れ、ボールが見えなくなる恐れがありました。あの時は私のせいでチームに迷惑がかかると、とても不安になりました」——当時の気持ちを王選手はそう振り返ります。
しかし、「起きてしまったことに悩んでも仕方がない」と気持ちに整理を付けた彼女は治療に専念するため、3カ月余り休養を取ることにしました。そのおかげで病状は徐々に快方に向かい、「今でもまれに目の焦点が合うのが遅れることはあるものの、その状態にも慣れ、対処する方法も身に付けた」そうです。
王選手は難病に負けることなく、強靭な意志でどん底から這い上がり、かつてと変わらぬプレーでコートに戻ってきました。そんな彼女に2015年、その年に最も活躍したアスリートに送られる「精英奨」のうち、「最優秀スポーツマンシップ賞」が授与されました。その際、王選手は「自分の受賞がより多くの人に感動と勇気を与えることができれば」とのコメントを残しました。
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 難病を乗り越え、自分と戦う  女子バレーのポイントゲッター 王欣   選手
▲ 得点を挙げた時はもちろんうれしいですが、最も楽しいのは練習であれ、試合であれ、皆がボールに全神経を集中するあの瞬間を味わうことです。(写真/王欣婷選手)

リーグ戦で千ポイント達成次はユニバの金メダル
王選手は現在、正修科技大学レジャー‧スポーツマネジメント学部の4年生であると同時に、台湾電力バレーボールチームの一員でもあり、午前中は仕事、午後は練習という忙しい日々を送っています。そんな中、今年6月、彼女は社会人バレーボールリーグにおいて個人で挙げた総得点が通算1,000ポイントを突破するという偉業を達成。チームの優勝に大きく貢献しました。それでも王選手は「1,000ポイント突破はうれしいけど、アタック数と得点率を見ればそれほど大したことはない」と謙遜します。
彼女はまた、練習と試合が違うように、社会人チームでのプレーと台湾代表でのプレーは全く感覚が異なると指摘します。代表チームは社会人リーグの各チームから選抜された優秀な選手で編成されますが、上半期の社会人リーグと並行して代表合宿が行われたため、月曜から金曜までともに練習したメンバーと週末には対戦相手として試合を戦うことになったそうです。それぞれが互いに相手のプレーを熟知しているため、何とか勝利をものにしようとあらゆる手を尽くします。こういったプラスの競争がさらなる前進につながるのだと彼女は強調します。
王選手の夢はオリンピックに出場することです。そんな彼女は国際大会に出た際、自分の力以上のものを発揮して個人タイトルを獲得したいと考えるそうです。それは、世界のトップ選手を仰ぎ見るのではなく、何とか自分をそのレベルにまで引き上げたいからだと言います。バレーボールという競技をプレーすることは一種の喜びだという彼女は「得点を挙げた時はもちろんうれしいですのが、最も楽しいのは練習であれ、試合であれ、皆がボールに全神経を集中するあの瞬間を味わうことです」と語ります。
来年開催される台北ユニバに向け、代表合宿で練習に励む王選手は、「ここでしっかりと力を付け、全員が実力の全てを出し切って台湾に金メダルをもたらしたい」と抱負を述べました。
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 難病を乗り越え、自分と戦う  女子バレーのポイントゲッター 王欣   選手
王欣婷選手の主な成績(女子バレーボール)
2011 年 オリンピック国家強化指定選手
2012 年 台湾代表(ワールドグランプリ・オリンピック予選)
2013 年 台湾代表(AVC アジアクラブ選手権)
2014 年 台湾代表(東アジア地区女子選手権大会)
2015 年 オリンピック国家強化指定選手、台湾代表(アジア選手権4 位)、光州ユニバーシアードで台湾代表団の旗手を務める。

 

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