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「台湾は太平洋に浮かぶ真珠」 -趙百相さん (TAIPEI Quarterly 2016 冬季号 Vol.06)

アンカーポイント

発表日:2017-03-23

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「台湾は太平洋に浮かぶ真珠」
-趙百相さん

_ 顔艾玨
写真 _ 楊佳穎、駐台北韓国代表部
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 「台湾は太平洋に浮かぶ真珠」 -趙百相さん
▲ 趙百相さんは、地理、自然、人、文化、風俗、歴史などなど旅する度に台湾のさらなる魅力や強みを発見するといいます。(写真/楊佳穎)

信義区の台北世界貿易センター22階に入居する韓国の対台湾窓口機関「駐台北韓国代表部」に入ると、趙百相(チョ‧ベクサン)同部前代表のオフィスからは、海外からの観光客にとって人気スポットとなっている台北101ビルの姿を目にすることができます。それはまるで、任期を終えた趙前代表を台北市を代表して見送っているようにも見えます。

台湾各地の観光スポットを熟知
流暢に中国語を話す趙前代表は、2014年4月の就任から10月末までの任期終了まで台湾と韓国の友好関係維持、発展に努めたほか、公務のみならず余暇を利用して台湾各地を訪問しました。
同前代表は、旅をするたびに自然環境、文化、グルメなどいつも台湾の魅力や長所を発見できたと語ります。個人的に一番好きな観光スポットは桃園市復興区の東眼山国家森林遊楽区だそうですが、台北市では大安森林公園を推薦しています。「暇な時はいつもMRTに乗ってここへやって来て1、2時間散歩しました。公園ではたくさんの人が瞑想したり、太極拳やジョギングを楽しんだり、親子が共に過ごす姿を見かけ、台北の人々がのんびりとした生活を味わっていることが分かります。簡単に言えばここはニューヨークのセントラルパークのような存在なのです」と分析し、さらに最寄りのMRT駅、大安森林公園駅についても「敷地内で約10分間の水を使ったショーや滝をイメージした庭園を楽しむことができ、外国人観光客にもっと知ってもらうべきスポットだと思う」とその魅力を語っています。

外交官として世界各地へ
台湾に強く感銘
趙前代表はソウル大学‧政治外交学部を卒業した後、同大の大学院で外交を、米ペンシルベニア大学の大学院で国際政治について学びました。外交官としての34年にわたるキャリアの中で米国、ネパール、日本、ベトナム、中国などの在外公館に勤務し、2012年に中国遼寧省の瀋陽総領事を務めていた際には、同領事館が「最優秀在外領事館」に選ばれています。中国語だけでなく、英語、日本語、ドイツ語にも堪能で、韓国において唯一、国防部国際政策官から軍事政策および各国との安全保障業務に携わる任務を受ける大使となっています。
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 「台湾は太平洋に浮かぶ真珠」 -趙百相さん
▲ 10月初旬に終わったばかりの韓国台北友好ウィークでは、韓国を代表するミュージカル「BIBAP」が招かれました。(写真/駐台北韓国代表部

台湾と韓国の外交関係は1992年に絶たれましたが、双方の努力により、近年では相互に第5の貿易パートナーに発展しています。2004年9月に定期航空便の運航が再開されて以降、旅行者の往来も徐々に増え、12年にノービザでの滞在期間が90日に延長されたこと、13年に韓国の人気旅行バラエティ番組「花よりおじいさん」で台湾が取り上げられたことなどから、14年には台湾を訪れる韓国人旅行者は初めて延べ100万人を突破。現在、台湾~韓国間には週110便の直航便が就航するなど双方の交流はますます緊密になり、旅行者数は今年、170万人に達する見通しです。
趙前代表は外国人の立場から新鮮な眼差しで台湾を見、常に驚きを感じていました。多くの時間を過ごした台北市については「清潔で安全、市民は情に厚く親切で、様々に変化する顔を持ったソウルとワシントン、東京が融合したような美しさを持つ都市」との印象を語っています。信義区に居を構えた彼は、台北101ビルに灯るライトアップが虹をテーマとして毎晩その色を変える光景が強く印象に残っていると話します。
また趙前代表は台北市文化局に対し、イベント会場の提供に関する協力に謝意を述べました。既に3年連続で開催されている台韓友好交流イベントは、今年も文化局の協力の下、10月1日に台北市政府庁舎‧東門広場で開かれました。台北101ビルが見下ろすこの広場で「台北打撃楽団(タイペイ‧パーカッション)」や韓国の歌手、金承熙さんや林珍範さんがパフォーマンスを披露。さらに会場では韓国料理が提供されたり、韓国文化体験ブースが設置されたりと大盛況となりました。
TAIPEI 夏季号 2016 Vol.06 「台湾は太平洋に浮かぶ真珠」 -趙百相さん
▲ 2016年の韓国─台北文化交流饗宴は、台北市政府庁舎・東門広場で行われました。(写真/駐台北韓国代表部)

台湾とお別れする
趙前代表の旅行指南
初めて台湾を訪れる観光客に対し、趙前代表はまず、陽明山、野柳、九份、金瓜石、平渓、淡水、中正紀念堂、国父紀念館、台北101、龍山寺、西門町といった北部の観光スポットを巡るよう勧めます。中には台北エリアだけを旅行するために3度も来台した人もいるそうで、こういった旅行者は北投、陽明山、烏来、金山の温泉巡り、親子連れならこれに台北市立動物園でのパンダ鑑賞を加えるなどテーマを設定した旅を楽しんでいるようです。
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▲ 駐台韓国代表としてあいさつする趙百相さん。(写真/駐台北韓国代表部)

また台湾旅行のリピーターに対しては、南投県の日月潭、台南市の安平古堡、宜蘭‧花蓮‧台東旅行を推奨します。さらに趙前代表は「台湾には隠れた名所が数え切れないほど存在し、何度でも訪れる価値がある」と強調。「『太平洋の真珠』とはハワイではなく、台湾のことだ」との言葉でこの島への愛情を表現しています。その上で観光は今後、台湾がより発展に努めるべき分野であり、プロモーション面ではより細やかな差別化を図って魅力を広く伝えるべきだと提言しています。
ここ10年来、韓国のドラマやアイドル、PSYを代表とする韓国ポップス、サムスン電子の携帯電話、日々進化を遂げる化粧品などがアジアを含めた全世界を席巻しています。韓国人が持つ民族的特性とIT技術力を融合させ、世界に「韓流」ブームを巻き起こしたのです。台湾のドラマやバラエティ番組について趙前代表は、「台湾のタレントは容姿に優れ、創造力も高く、魅力がある。また李安(アン‧リー)や侯孝賢(ホウ‧シャオシェン)といった世界的な映画監督も輩出しており、機会があれば台韓共同制作の作品が生まれることを期待する」と語っています。
最後に趙前代表は「難兄難弟(似通った苦境にある者同士)」という言葉で台湾と韓国の関係を形容しました。具体的には両国とも国家が「青年期」を迎え、経済が輸出主導型で高学歴者の失業や高齢化、工業を原因とする環境汚染が問題となっていること、さらに最も特徴的な点として、いずれも平和的な政権交代が実現した上に現在は女性が国家主席を務めていることを挙げ、「世界で最も似た国」である台湾と韓国は直面する問題も共通しており、将来、手を取り合って解決策を模索することが可能だと語りました。

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