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TAIPEI 2016春季号 Vol.03—産業発展局の街角デザイン再生計画 老舗ブランドの再生をお手伝い

アンカーポイント

発表日:2016-06-17

更新日:2016-09-23

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文 _ 秀敏
写真 _ 台北巿産業発展局
台北市産業発展局の「街角デザイン再生」計画は今年6年目に入りました。これまでのデザインチームと店舗の単なる協力とは異なり、今年は初めてブランドデザインの改造を行います。全部で10 軒の老舗が生まれ変わり、都市に新しい風を吹き込みます。

2_改造後的林三益,招牌及象牙白外牆展現時尚感。(圖/台北巿政府產業發展局提供).jpg
▲改造後の「林三益」は看板と象牙色の壁がおしゃれです。
おしゃれに変身した老舗 
台湾らしさ生かす肉圓店
1917 年創業の「林三益」は毛筆を作る店でしたが、四代目が化粧ブラシの開発を始め、新ブランド「LSY」の立ち上げに成功しました。しかし残念なことに、店頭に陳列されているのは主に伝統的な毛筆で、化粧ブラシに非常に重要なおしゃれさに欠けていました。そこでデザインチームは「墨韻(墨の余韻)」をテーマに店頭を改造しました。空間と看板は墨色でブランドイメージが強く表現されていて象牙色の外壁が際立ち、伝統と現代が融合しています。さらに骨董家具に化粧ブラシを陳列して新しいお客様を呼び込み、百年の老舗が新たな姿を現しました。
「宝島肉圓」はかつて肉圓(肉入り餅)の全国大会で、肉圓発祥の地である彰化県の店を下して優勝したことがあります。台湾らしい店名に現代的な内装で、一見すると小吃(軽食)を売る店ではないようですが、特色をはっきりと出せていませんでした。デザイナーはやや古風な字体で書かれていた看板の文字を、丸みを帯びたラインにしました。またオーナーである連おばさんの可愛いイラストが優しくお客様に挨拶しています。このほか看板、厨房ののれん、木目調の壁、壁にかかっている木製の札に書かれたメニューなど全てが一新され、すがすがしい台湾らしさが蘇りました。

3_百年品牌林三益原有的門面較為傳統。(圖/台北巿政府產業發展局提供).jpg
▲百年の老舗「林三益」は昔ながらの店構えでした。
新たなセンスの台湾茶店 
心温まるカフェ
「喜堂茶業」店主の阿亮さんはお茶の伝道師のような人で、心を込めて台湾の茶文化を広めています。時々、茶会や封茶(茶葉を缶や壺に収蔵する風習)のイベントを開催したり、パフォーマンスグループとのコラボレーションも行ったりしています。しかし店内はやや狭く、初めて訪れると山のような陳列物に目がチカチカしてしまいます。「喜堂」にとって最も切迫した問題は空間の改造で、それぞれのエリアを秩序立てて区切り、機能性と美観を持たせることでした。そこで室内空間を整理して、展示エリア、販売エリア、講座とDIY活動エリア、オフィスエリアに分け、ブランドの美学を表す優雅なのれんで仕切りました。透き通ったのれんは空間を隔てるだけでなく、奥行きのある美しさも生み出しています。

1_寶島肉圓的招牌以寫意渾圓的線條,呈現出清新台味。(圖/台北巿政府產業發展局提供).jpg
▲「宝島肉圓」の看板は丸みを帯びた文字で書かれ、フレッシュな台湾らしさが表れています。
「囍愛商行(Ivi Bread)」の創業者Ivi さんはアートエディターでしたが、料理好きが高じて飲食業に転身しました。彼女はデザイナーらしい美的感覚に対するこだわりをいつも持ち続けています。最高のものが使えるのなら、絶対にそれ以下の食材を使わず、素晴らしい料理で顧客の胃と心をとらえます。材料コストを抑えることができない中、店舗の賃貸料の負担を軽くするため、今年初めに長春路にある古い建物の二階へ移転しました。しかし古くて雑多な建物に紛れ、見つけにくく、入りにくさを感じさせます。そこでデザインチームは美味しさで心を通わせる温かなイメージを打ち出し、窓の外装にはヨーロッパ風の看板と日よけ、花のプランターを備えつけました。美しい植物が古い建物を生き生きとさせています。室内は窓台をテーブルにした席があり、一人で食事をするお客様に静かな空間を提供します。そして階段の入り口にある看板と壁のお知らせがお客様をお迎えします。
4カ月にわたる台北の「街角デザイン再生」計画はひと区切りがつき、素晴らしいデザインがあなたの訪問を待っています。機会があれば店に入って台北の街角の小さな変化を眼にし、デザインが生活にもたらす美しさを感じてください。「街角デザイン再生」計画については、www.taipeixdesign.org.tw をご覧ください。
 

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