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TAIPEI 2015冬季号 Vol.02—ご近所の交通状況を改善 台北をもっと移動しやすく

アンカーポイント

発表日:2016-06-22

更新日:2016-09-23

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文・写真 Wallace Chang

1_北市實施YouBike租借前30分鐘收費5元,市民更容易借到車。(Wallace_Chang攝).jpg
▲台北市では、市民がよりレンタルしやすくなるようYouBike のレンタル後30 分間を5 元徴収することに。(写真/Wallace Chang)


これまで台北の狭い路地では、バイクや自動車が歩行者のすぐ横を通り過ぎるなど危ない場面が見られました。また退社後に自動車で帰途につくと、路面は終日駐車禁止を意味する赤線ばかりだったり、車にずっと占領されていたり、家の近所を1 時間以上探し回っても駐車場所がないなど大変な思いをしたものでした。
このように人と車が道を奪い合う危険な状況は、ずっと解決が難しいと見なされていました。ですが、柯文哲氏が台北市長になり、交通問題にもメスが入れられたのです。忠孝西路のバス専用道路を大胆に撤去し、さらに街角や路地に対して特に「鄰里交通環境改善計画」(地域交通環境改善プロジェクト)を企画しました。最初の対象地域として中正区新営里が選ばれ、今年8月に工事完成、高い評価を得ています。地元住民全体の満足度は83%にも達しており、市の交通政策の大きな成果となりました。このほか、台北市にある93 ヶ所の公営駐車場では、タクシーにかぎり1 時間以内の駐車は無料とし、運転手が休憩できる場所にしました。レンタサイクルサービス「YouBike」もさらに有料化することで使用回転率を下げ、市民がより自転車を借りやすくしました。
めちゃくちゃな駐車違反を改善
台北市の従来の交通改善措置は、主要道路やそれに次ぐ幹線道路に重点が置かれていましたが、「隣里交通改善計画(地域交通改善プロジェクト)」は「里」(町内)を単位に、交通の専門家が都市の隅々まで入り、その地域に合った交通や環境のあり方を検討し、各地域の特質に応じて実施するものです。今年4 月から、台北市中正区の新営里をサンプルエリアとし、人を中心とした交通理念をもとに、状況が許す範囲で、通りに線で歩道を確保することを優先させ、通行人が安全に歩ける環境を整えました。これによって、通行人が道路を歩いている時、すぐ横をびゅんびゅん通り過ぎる自動車に注意しなければならない状況を減らせると考えたためです。通りには、通行人と通行車用以外の余ったスペースにバイク・自動車の駐車場所を設置し、通りの駐車の秩序を創り出します。またバイクや自動車を騎楼(軒下の通り)や歩道から追い出し、軒下をすっきりさせ、同時に防護策の必要性を検討、使いやすい通行のスペースを提供する予定です。

2_標線型人行道的設置,讓市民可以放心在巷道內行走。(交通局提供).jpg
▲線での歩道の設置で、市民も安心して通りが歩ける。(写真/台北市交通局提供)
消防車に影響しないことを前提に、終日禁止の赤線を黄線に変更、昼間の臨時停車や貨物の上げ下ろしおよび夜間8 時から翌朝7 時まで市民が合法的に駐車できるようにしました。また道路入り口の赤線を交通関連法規により10m から5m に縮め、その分をバイクの駐輪用として活用、駐輪場を増やしたのです。施行後、交通局が地元民にアンケートを取ると、87.5%の地元住民が線での歩道確保に賛成しており、新営里全体の交通環境改善の満足度は83%にも達しました。
新営里の里長(町内会長)何国栄さんは、このプロジェクトで適切に赤線を黄線に変更したことで市民が臨時停車できるようになり、これまでの「赤線で違法駐車を取り締まるべき」という固定観念を打ち破り、ドライバーも車を線で示された歩道に止めなくなって、違法駐車問題が解決できたと語ります。また、歩行者と車のすみわけを実施することで、コミュニティに危険度の少ない環境ができたそう。里を単位として企画し、地元住民も一緒に話し合い、一度の工事で終わらせることで、道を何度もほじくり返し線を引き直す無駄も減り、違法駐車横行が解決できるなど、一挙数得なのです。
台北市交通局交通治理科の張生萬課長は、台北市は今回のプロジェクトでは、まず駐車の枠、赤線・黄線、標識、マンホールの交換と路面の整備などから手をつけ、点から線、そして面へとゆっくり広げていくとしています。また第一期としてすでに30 の里が強い興味を示しており、10 月末までには49の里がプロジェクトに組み込まれるとのこと、さらに年末までには30 の里で工事を完了させ、2020 年には台北市の前456 里をすべて完成させたいとしています。
公営駐車場を開放 
タクシードライバーも「 充電」して再出発
台北市は2007 年から道路以外の公営駐車場――立体駐車場や地下駐車場も開放し、タクシー運転手が30 分間休めるようにしていました。ですが、使用率が低いため、柯市長は着任後に方法を変え、タクシーが無料で使用できる公営駐車場の時間を30 分から1 時間に延長。また入り口のところに、タクシードライバーなら表示に沿って車を駐車場に入れさえすれば1 時間無料駐車の優遇措置を受けられると、明示することにしました。駐車場ではまた携帯情報サービスも提供、運転手の通信環境を整え、乗客からの呼び出しを見逃さないようにしました。

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▲道路以外の台北市公営立体駐車場や地下駐車場をタクシー運転手が1 時間無料で使用可能に。(写真/ Wallace Chang)
この政策の実施は、運転手にも好評です。タクシー運転手の李さんは、以前はあちこち運転して疲れて休みたい時でも、なかなかいい場所がなかったが、今は昼寝でも食事時でも駐車場が見つかるので、自分に「たっぷり充電」してからお客さんを載せられると言います。以前のように食事中もキップを切られるのではとヒヤヒヤする必要はなくなったのです。
交通局は、台北市の最終目標は、台北市の路上を走るタクシーを減らし、タクシーの無料駐車ポイントを増やすことだと強調します。これにより空気をクリーンにし、タクシー運転手を長時間労働から解放することができるからです。
YouBike ユーザーが費用負担 多くの市民も納得
すでに台北市の生活の一部となった公共のレンタサイクルサービス「YouBike」を末永く継続させるため、交通局は電話アンケートを実施しました。その結果、市民はユーザーの費用負担を支持する声が高いとわかったのです。このため、交通局は今年4 月1 日からレンタル料を調整し、最初の30 分を無料とするのを取りやめ、最初の30 分間のレンタル料を5 元とすることにしました。

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▲YouBike はすでに台北市民の生活の一部。(写真/王能佑)

交通局が予測した使用ニーズのモデルでは、利用量は7 割に減りますが、施行後どの自転車も、1 日の回転率が約10.8回から8.15 回、つまり実施前の75%程度に減るとのこと。これは、ユーザーが料金を払って本当に必要な人が使えるようにすることを市民が受け入れることを示しています。台北市の補助も毎月1,783 万元から791 万元に減り、平均毎年1 億1,904 億元の支出を減らせることになります。
今年4 月末、交通局はサイト「YouBike増設提案プラットフォーム」を設置、市民のレンタルポイント設置に関する意見を広く募り、計2,000 ヶ所でポイント増設が提案されました。現状のスペースとニーズなどの条件を検討し、交通局ではまず53 ヶ所の設置ポイントを選び出し、YouBike をより人々の生活に浸透させることにしました。
現在、YouBike のレンタルポイントは196 ヶ所ですが、最終目標は400 ヶ所です。その時には台北市のどこにいても、半径350m 以内にYouBike のレンタルポイントが1 つある見込みです。来年からスタートして毎年50 ~ 60 ヶ所増設し、2018 年に400 ヶ所を目指します。

5_台北河濱自行車道獲選十大自行車經典路線之一。(潘俊霖攝).jpg
▲台北河浜サイクリングコースは絶景サイクリングコース10 選の1 つ。(写真/潘俊霖)
絶景サイクリングコース
10 選に選ばれる
教育部体育署は初めて絶景サイクリングコース10 選の選抜を実施、台北河岸のサイクリングコースはこの10選の1 つに選ばれました。さらに台北市のこのコースはその乗りやすさと行き届いた設計から、台湾で唯一、すぐれた走りやすさで「無障礙特別賞」も受賞しました。運輸管理科の劉嘉祐課長は、河岸サイクリングコースは市民の生活エリアに近く、自然や文化、歴史、レジャー活動や都市の美食などをつなぐコースとなっていると言います。このコースは28 の河岸公園をつなぎ、全長112 キロ、沿路には大佳河岸公園、華中キャンプ場、関渡大稲埕歴史公園や社子島の湿地などが見られるそうです。

6_沿著河濱自行車道騎乘單車,健康又安全。(王能佑攝).jpg
▲河岸サイクリングロードを自転車で行けば健康的だし安全。(写真/王能佑)
劉科長によると、1 日のサイクリングで100 キロ踏破が可能で、レンタサイクルポイントでは無料のメンテナンスや水の補給、救援サービスも受けられるとのこと。また無料で三輪自転車もレンタル可能で、ハンディキャップのある方も風を感じる自転車の旅を楽しむことができます。
よくYouBike を利用するサラリーマンの馬氏は、YouBike を有料化すればレンタルしやすくなるし、平日の通勤時だけでなく休日には河岸でYouBike に乗るにしても少しのお金でのんびりした気分が味わえると言います。台北をもっと便利に!交通の便のよさは台北市民の誇りです。これに加え地域交通環境改善プロジェクトや違法駐車の解決、タクシー運転手の休憩場所の確保、そしてYouBike の有料化の実施で、台北の交通環境がさらにグレードアップするに違いありません。

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▲台北市の顔ぶれが変わり、乱れた交通にメスが入れられ、さまざまな交通改善政策がうたれた。(写真/王能佑)
 

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