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TAIPEI 2015冬季号 Vol.02—エッグロール、タピオカミルクティー、クッキーサンド 台北ヌガー菓子のTOP はどれも力作

アンカーポイント

発表日:2016-06-22

更新日:2016-09-23

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文 李盈 
写真 劉佳雯
台北といえばこれ!という「台北餅」(お菓子)を作ろうと、2015 年台湾烘焙美食展(台湾焼き菓子展)に出品した製菓店は、どうすればお菓子の生地とヌガーをおいしく組み合わせられるか、菓子職人やスタッフが試行錯誤を重ねました。味だけでなく見た目にも新しい台北餅を作るのに、どの店も試作だけで半年間は費やしたそうです。

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▲「台湾芒果牛軋糖」は見た目や彩りがとても魅力的。(写真/台北市糕餅商業同業公会提供)
台湾の菓子文化と時流を融合し、伝統と現代をうまく調和させるというコンセプトのもと、参加者たちは各々インスピレーションと経験を活かし、ヌガー菓子の創作にベストを尽くしました。2015 年の「台北ヌガー菓子」部門では老舗菓子店「御華興」の「牛軋煎餅捲」(ヌガーロール)が審査員に高く評価され、最高の金賞に輝きました。
ヌガーロール 
サクサクした味わい
「御華興」三代目の蘇さんによると、店は彼女の祖父が1946 年に創業し、当初は伝統的な「煎餅」(焼き菓子)を売っていました。小麦粉の生地を型に流し込み両面を焼いたもので、当時の型は今も記念に保存してあるそうです。煎餅は創業の精神を象徴するもので、店の伝統でもあることから、ヌガーロールには煎餅の生地を使用しました。

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▲エッグロールのような見た目の「牛軋煎餅捲」が「台北餅」部門の金賞。(写真/高讃賢)

店のヌガーはもともと中国人観光客に人気で、アーモンド味やマカデミアナッツ味などもあります。ただ、煎餅とヌガーを組み合わせると甘すぎるので、試作を繰り返し、砂糖の代わりにトレハロースを使いました。トレハロースは砂糖のコスト6 倍にもなるそうです。また、ヌガーは温まると柔らかくなり、溶けてしまうこともあるので、煎餅がヌガーの水分を吸収するよう、煎餅でヌガーを巻いています。
「御華興」のヌガーロールは、見た目はエッグロールのようです。小麦粉の香りとコーンスターチのサクサク感、牛乳のコクが感じられ、食感も抜群です。煎餅は熱いうちでないと巻くことができないため手間もかかっています。塩味のヌガーロールもあり、味の違いも楽しめます。
タピオカミルクティーが
お菓子に 格別な味
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▲銀賞の「珍珠奶軋」はタピオカミルクティーを使った、全く新しい味わい。(写真/劉佳雯)
銀賞を受賞した「郭元益」は「珍珠奶軋」(タピオカミルクティー落雁)という斬新なアイデアとそのおいしさで審査員の注目を集めました。創業149年になる「郭元益」の李坤聡部長によると、台湾の伝統的なお菓子は、元をたどれば神様へのお供え物であったそうです。かつて中国から台湾にやってきた人たちは特に、神様への祈りや気持ちの慰めが必要であり、お菓子と台北はとても密接な関係にあったのです。
しかし、そのような背景と現代を結び付け、新しい商品を創り出すのは簡単なことではありませんでした。外国人観光客にタピオカミルクティーが人気であることに注目し、検討を繰り返した結果、タピオカミルクティーを新商品のベースとすることにしたそうです。そして、店の伝統に流行りの要素を取り入れたタピオカミルクティー落雁は完成しました。台北の伝統的な飲食文化を知らない外国人でも、これを食べれば理解が深まるかもしれません。
タピオカミルクティー落雁は、見た目は緑豆糕(緑豆の落雁)のようですが、材料にタピオカミルクティーが使用されており、口にすれば新しい食感が楽しめます。ニュージーランド製バターと新鮮な卵白を主原料にした餡は、台北餅の大切な要素の1 つであるヌガー。柔らかくて細やかな落雁に包まれたヌガーが、口に入れた瞬間溶けていく新しい味です。
シンプルな焼き菓子 
深く印象に残る

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▲銅賞「牛軋餅」はちょうどいい大きさで食べやすい。(写真/劉佳雯)

銅賞に輝いた「福利麺包」(FloridaBakery)の「牛軋餅」(ヌガークッキー)は、クリームサンドクッキーのようにシンプルです。台北のクリーンな街のイメージや忙しい台北の人たちに合わせて、パッケージは手軽さや清潔感、安全性にこだわり、大きさもちょうどよく、いつでもおいしさを楽しめます。
また、クッキーの間にはさむヌガーには、試行錯誤の結果、身近な香辛料であるコショウが入っており、試作の際には何度もくしゃみが出たそう。出来上がったヌガークッキーは、口に入れた瞬間は濃厚な牛乳の香りがして他のヌガークッキーと変わりませんが、飲み込んだ後から隠し味のコショウがじわじわ効いてくる個性的な味です。菓子職人歴20 年以上の呉懐陵さんは、コショウのほかにもカレー粉、海塩、花胡椒、トウガラシなどで試作するなど、創作への意欲があふれています。
同じくコンテストに参加した「法蘭司蛋糕」(Kao & Zou's Bake House)は、「牛軋千層派」(ヌガーミルフィーユ)が評価されました。ピーナッツのヌガーをミルフィーユで挟み、温めたチョコレートで表面をコーティングしており、若い年齢層に人気が出そうです。また、「順成蛋糕」(Shun ChenBakery)が出品した「台湾マンゴーヌガー」は、鮮やかな彩りと見た目で注目され、台湾マンゴーの新しい魅力を引き出しました。

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▲「牛軋千層派」はピーナッツヌガーをミルフィーユで挟み、チョコをコーティング。(写真/台北市糕餅商業同業公会提供)
 

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