発表日:2017-12-18
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生活の味わいと姿を伝える
台湾らしさ満開の「花布」
文 _ 鍾文萍 写真 _ 楊智仁
布を買うなら永楽布業商場(布市場)、事情通なら誰でも知っているでしょう。許万福さんが営む「新経美」は永楽布市で「花布」を売る老舗です。許さんは彩り鮮やかな赤い花布に話が及ぶとまず、この布の正式な名前は「花布」なのだと言いました。「多くの人がこの赤い花布を『客家花布』と呼びますが、実は違うんです。この布は昔から台湾のどの家でも使われていたもので、『台湾花布』や『阿婆仔布(おばあちゃんの布)』とも呼ばれています。客家人だけが使っているものではないんです」。一方で許さんはまた、「とはいえ客家委員会が使用するよう推進に取り組み続けたから、花布は今まで廃れることがなかったのですがね。」と笑います。
年配世代に人気のおめでたい色合い
1950年代、台湾の紡績業は米国の援助の下で大きく発展しました。遠東紡織(現:遠東新世紀)や太全などいくつかの紡績会社は、日本から取り寄せたサンプルを参考にして台湾人が好む図柄を選び出し、それを画家に依頼して描き直したり、組み合わせたりして新しいデザインを生み出しました。多くがサクラ、ボタン、ハイビスカス、ヒナギクなどをあしらったもので、縁起の良い赤い色の上いっぱいに精緻なタッチで花々が描かれたこの布は大人気となりました。人々は花布を布団カバーやシーツ、さらにはふきん、袖カバーなどにしました。花布は戦後の台湾に色鮮やかで豊かさと喜びにあふれる新たな気風をもたらしたのです。
1946年、許さんの父は桃園から台北へやってきて永楽市場に店を開きました。「新経美」は永楽布市の中で最も花布の品揃えが良い店の一つとなり、台湾全土の花布を扱う店のほとんどがここで布を仕入れているそうです。花布を売って何年にもなる許さんは、お客さんの好みの変化をよく把握しています。かつては花がより大きく、全体の色がより赤いものがよく売れたそうです。しかし現在では反対に、若い世代はすっきりとシンプルで人とは違うスタイルを好むため、以前は人気のなかった青、緑、黒といった色や、客家の新たな象徴とみなされている小さな桐花(アブラギリの花)の模様が人気となっているのだそうです。
▲「新経美行」を営む許万福さんは伝統的な花布を扱い、顧客の好みも熟知しています。(写真╱楊智仁)
古き良き生活の美をリバイバル
半世紀にわたり、台湾人と共に歩んできた花布。時代の変化に伴って最先端の材料や染色‧織布技術が登場していますが、それで「台湾花布」が廃れることはありません。一方、同じく大稲埕に生まれた「印花楽」は伝統的な花布の鮮やかな色調から解放された、台湾の自然や暮らしのイメージを創作の要素とし、よりオリジナリティの高いプリント布地を作り出しました。「印花楽」の製品は目を引くだけでなく、従来のプリント布に対する人々の印象もくつがえしています。
伝統的な花布がお客さんの好みに合わせているのとは異なり、「印花楽」のデザインはデザイナーの台湾の生活に対する細やかな観察と体験が取り入れられ、また新しい世代の大地に対する強い使命感と懐しさへの思いも秘められています。例えば、繰り返しプリントされた台湾八哥(タイワンハッカチョウ)の意匠は、私たちに台湾固有の生物が直面している困難を思い出させます。また「老建築(古い建築物)&旧花磚(花柄タイル)」と「鉄花窗(花型の窓格子)」シリーズは、かつての台湾の生活にあった美を復活させたもので、古き良き堅実さと優雅さがあります。これらの布地は布団や枕カバーだけでなく、財布、ブックカバー、ボトルカバー、布絵、ランプなどにも使われています。時代遅れになることなく暖かで豊かな詩情にあふれた花布は、きっとみなさんをあらためて驚かせてくれることでしょう。
永楽布市は台湾花布の主要な卸市場の一つです。
新経美行
大同区迪化街一段21号
(永楽市場3階39室)
2556-7539
06:00~18:30
印花楽(大稲埕本店)
大同区民楽街28号
2555-1026
09:30~19:00
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