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地球の多様な文化の探検家 セントクリストファー・ネーヴィス駐台大使 ジャスミン・ハギンズさん (TAIPEI Quarterly 2018 春季号 Vol.11)

アンカーポイント

発表日:2018-03-19

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地球の多様な文化の探検家

セントクリストファー・ネーヴィス駐台大使

ジャスミン・ハギンズさん

 _ Rick Charette  写真 _ 楊佳穎


 

さてここで問題です。世界地図の前に座って5秒以内にセントクリストファー・ネーヴィスがどこにあるか指差してください。当てられたらあなたは高校時代、地理の先生のお気に入りだったに違いありません。

この人口5万人の小さな島を故郷とするジャスミン・ハギンズさんには朝飯前。ハギンズさんはとても小さな国からやってきた、一風変わったスケールの大きい人生を過ごしている人物です。ひたむきな仕事ぶりといくつもの素敵な巡り合わせが何年にもわたってハギンズさんの人生に多くの変化をもたらし、遥かな土地と土地を結ぶ長い物語をつむいできました。故郷を離れ、長く暮らしたニューヨークからワシントンD.C.へ、そして今、その物語は台北で書き継がれ、舞台は大西洋から太平洋の世界に移っています。

人口13,000人余りの首都・バセテール出身のジャスミン・ハギンズさんは、今では「ジャスミン・エリーズ・ハギンズ、セントクリストファー・ネーヴィス駐中華民国(台湾)大使閣下」と呼ばれます。謙虚な気質の島国で育ったハギンズさんは今回のインタビューに際し、かしこまった「閣下」という敬称を使うのは一度だけならと了承してくれました。注意深い読者の皆さんはすでに二度使われていることにお気づきですね。どうぞお許しを、大使。

台北に来るまでの道のり

「生まれてから数年はバセテールに住んでいましたが、故郷はもっと小さな、セントキッツ島の北海岸にある祖父母の村だと思っています。とても小さい頃、家族とニューヨークのニューロシェルへ引っ越しました。それからブルックリン、ニュージャージーへと移り住み、進学のためにワシントンで過ごすようになりました。そこで思いがけず外交の世界へ足を踏み入れる機会を得ました。その後10年間はワシントンにある自国の大使館で働き、2008年に台湾での大使館開設のため赴任を引き受けて以来、台北で暮らしています」。
 

ハギンズさんの任務とは

「大使館の任務は非常にシンプルです。まず私たちは台湾に暮らす自国の国民の利益を保護するために働いています。多くは奨学金プログラムでやってきた学生です。より広い意味では、とくに貿易と観光の分野において台湾とセントキッツ・ネーヴィスのつながりをより強くする役割を担っています。観光業はわが国の経済にとって重要な産業です。台湾での一番の目標は台湾の皆さんに私たちのユニークな文化を知ってもらい、わが国を訪れてもらうきっかけを作ることです」。
 

台北の過去と現在

ハギンズさんは大使に任命される前に一度、台湾を訪れ短期間滞在したことがあります。「他の初めてやってきた人たちと同じように、バイクの数、この街の忙しさ、そして人々がお互いこんなに近い距離で暮らしていることに驚きました。しかし同時にこのような環境でありながらも、誰もが感じが良く、気さくで親しみやすく、秩序がありました。もちろん今もそうです。台北は地域によって雰囲気が違いますね」。

「この街で暮らす間に目にしてきた最大の変化は、人々がより洗練され、国際的になってきたことです。ここには他の民族や文化に対する深い理解があって、台北や台湾の人々はとても受容的です。さまざまな文化の要素を見つけることができますし、人々は魅力的だと思ったものは生活の中に進んで取り入れます。これは受容性の高い地域社会と台湾に暮らす外国人の社会が、公式、非公式の形いずれにおいても心地良く融合しているためだと思います。公式な形でいうとフードフェアやカルチャーイベントなどです」。また、海外旅行を楽しむ台湾人が着実に増えていることもこの変化を生んだ理由のひとつかもしれないとハギンスさんは言います。

「例を挙げると、台湾で初めて迎えたクリスマスは大変でした。それまで家族や友達もなしに、伝統的なお祝いもせずにこの季節を過ごしたことはありませんでした。地元ではクリスマスシーズンになるとあちこちでライトがきらきらして、誰でも参加できるパーティーが催されたりしますが、それがここにはありませんでした。しかし今では何もかもが変わりました。どこもあふれんばかりにライトが輝き、みんながクリスマスを誰かと楽しむ方法を求めています。これこそ私にとってのクリスマスです。台湾はキリスト教の国ではありませんので、宗教的な意味合いはありません。しかしうきうきした気分や人生の贈り物である幸せとお祭り騒ぎを分かち合う感覚、これらはたしかにあります。私たち外交使節は、クリスマスツリーの点灯式などに毎年招待されるのですが、私はそれを心待ちにしているんですよ」。
 

大使館のさまざまな
取り組み

「私たちはさまざまな方法で、台湾の皆さんにセントキッツ・ネーヴィスへの理解を深めてもらい、わが国にとって特に重要な観光業をPRする役割を担っています。『2018台北ランタンフェスティバル』への参加は、とても楽しみにしていました。台北市のオファーに応じて、わが国の主要な観光地のひとつである『ブリムストーン・ヒル要塞国立公園』(世界遺産)を題材にした素晴らしいランタンを詳細な紹介と合わせて国際ランタンエリアに展示しました」。

「このほか『台北国際旅展(台北トラベルフェア)』に毎年参加したり、二階建て観光バスなど台北の路線バスでのPR、また『ラテンアメリカ・カリブ海カルチャーフェスティバル』では台湾で学ぶわが国の留学生たちによるダンスや音楽のステージがイベントのハイライトでした。いま、楽しみにしているのはスティールパンバンドの台湾公演で、めったにないものですから大きな注目を集めると思います。今年の秋開催を目指して準備中です」。
 

休日の過ごし方

「何より楽しみなのはハイキングです。台北はとても魅力的で、山が多くさまざまなレベルの登山道が発達しています。友達と出かけられる時はいつも山へ登り、新しい登山道や歩き慣れたルートを再び探検したりします。気に入っているのは陽明山国家公園の登山道で、七星山はとりわけいろいろなコースがあるんです」。この公園は、台北盆地と北に広がる海の間にある陽明山の中央山塊の頂上まで広がっています。

「台湾の食べ物も大好きです。中華料理は食べ切れないほどバラエティに富んでいますね。一番好きなのは台湾に来るまで聞いたことのなかった、あるいは食べられるとは思っていなかった食材を使ったシンプルな料理です。最も良い例はニンニク少々を加えたサツマイモの葉の炒めものです」。

「台湾の先住民料理に特別な思いを抱くのは、セントキッツ・ネーヴィスで食べられる盛り沢山のごちそうに似ているからかもしれません。あまり知っている人いませんが、台北市街地には先住民のオーナーが開いた素晴らしい先住民料理の店がいくつかあります。たくさんの料理がありますが、私は竹筒飯(竹筒につめて炊いた炊き込みご飯)や焼きイノシシがお気に入りです」。

▲西インド諸島に位置するセントクリストファー・ネーヴィスは、西半球で最も小さい国家です。
(写真/楊佳穎)

 

台北/台湾の旅に
あればいいもの

「アドバイスすることがあるなら、公共の場にもっと英語表記の情報があったほうがよいと思います。英語が公用語ではないことは分かりますが、増え続けている外国人観光客の多くが少しは英語を理解します。私のように台湾に10年住んでいて自分で動き回れる人間にとっても、英語表記が増えることは便利ですので大歓迎です。もちろん私も中国語をもっと懸命に勉強しなければなりませんが」。

「別の面では、地域の国際化の取り組みにおいて外交団がより組織的に人々と接することができるようになると好ましいと思います。例えば学校や地域のイベントで、きちんとしたプレゼンテーションとパフォーマンスを通じてわが国の各地域と文化を紹介することができます。台湾の皆さんはこのようなイベントを歓迎してくれると思いますし、それが礎となって長期にわたる素晴らしい成果が生まれると信じています」。 
 

セントクリストファー・ネーヴィスとは

セントクリストファー(セントキッツ)・ネーヴィスはカリブ海の西インド諸島に属する島嶼国で、西半球で最も面積が小さく人口が少ない独立国です。わずか2キロメートルの範囲に隣り合う大小の島から成り、大きい方のセントキッツ島に首都のバセテールがあります。「キッツ」は現地で使われる「クリストファー」の愛称です。このため同国は「セントキッツ・ネーヴィス」とも「セントクリストファー・ネーヴィス」とも呼ばれますが、前者のほうが一般的です。中華民国(台湾)との国交はイギリスから完全独立を果たしたその1983年に結ばれました。

 

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