発表日:2019-06-12
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TAIPEI #16 (2019 夏季号)
東一排骨本店 古き良き時代の懐かしい味
厳選した材料、こだわった雰囲気、おもてなしの心、 全てはお客様のために
文= 林家昌
編集= 下山敬之
写真= 台北市観光伝播局

ただの排骨飯にあらず
台北西側にある旧市街を散策すると、台北公会堂が見える細い通り沿いに「東一排骨台北本店」(ドンイーパイグー)の伝統的な緑の看板が並んでいます。古い建物の2階にあるこの店は、地元の人達の胃袋を満たすだけでなく、世界中から訪れる観光客も数多くもてなしています。近隣が時代の変化を見届けた「東一排骨本店」には、過去と現在の台北の人々の思い出が溢れています。お店の中には綺麗な一人の女性がカウンターで電話応対し、お客様を出迎え、時折料理様子を確認し、スタッフに丁寧に指導をしています。親切で穏やかな雰囲気を持つこの女性こそ、東一排骨の女将である何淑麗(ホーシューリン)さんです。
「最初は簡単なことをしたかっただけでした。私は料理ができるのでそれを仕事にし、万が一失敗してもそれほど赤字にならないだろうと考えていました」淡々と話す何さんからは、それほど難しいことはしていないという印象を受けました。しかし、実際には1971年の開業からすでに48年間も営業を続けています。始まりは約10坪の小さな店でしたが、今日では約300席の規模まで拡大しました。その間もずっとおいしい料理と温かいサービスでお客さんたちをもてなし続けてきました。
▲古い看板には「東一排骨旅行弁当」と書かれていて、「旅行の時のお弁当に最適」と伝えています。写真の人物は開店当初の何淑麗さん。
何さんは、メニューはすべてご自身で開発されたものと教えて下さいました。また、排骨のお店だからといって他の料理を研究しないわけではありません。すべての材料にこだわりを持ち、豚肉は新鮮なものを手作業で下処理しています。おかずは季節に応じた多様な野菜を使用し、無料で提供するスープにさえこだわりを持っています。また、台北では食後のフルーツは欠かせませんが、フルーツの盛り合わせやアイスを提供するフルーツバーは台湾全土でも5つ星ホテルと東一排骨くらいでしかお目にかかれません。
▲何淑麗さんは料理には多彩さが重要と考え、特におかずにこだわりました。
また、店内の雰囲気はどこか40年前の台北のディスコを思い起こします。巨大な陶器の花瓶、古いピアノ、ボッシュの音響、昔ながらのファストフード店にあるような赤い椅子、ステンドグラスの天井、新鮮な果物が入ったショーケース、様々な骨董品のコレクションなどがあり、テーブルを片せばすぐさま70年代のダンスフロアに早変わりします。店内には油汚れや乱雑な雰囲気は全くありません。お客さんのために丹精込めて作り上げたこの空間は、他の混雑した騒々しいお店とは違い、お友達と会話しながら食事をするのに最適です。
▲ディスコのような華麗さがある東一排骨は、新旧それぞれの台北人の記憶を残し続けています。
▲東一排骨のフルーツバーは、5つ星ホテル並みの水準を誇ります。
店内には20名ほどのスタッフがいて、接客方法にて一定の流れがあります。まずはお客さんを座席に案内し、それからスープ、メインとなるおかず、ご飯を慎重に運びます。スタッフは、ほとんどが中年のおじさんとおばさんで、そのうちの何人かは20、30年に渡りトレイ片手にお客さんの行き来を見守ってきました。常連客の人たちに話を聞くと「10代、20代の頃から通っていますが、味は全く変わっていません」という回答を多く頂きました。こうした感動的な思い出話が聞けるのも、老舗のお店ならではです。また、お店が華々しくオープンし現在まで続いている背景には、「他の排骨のお店と違うことをしたい」という単純な思いがあり、東一が守り続けている職人の精神は、長きに渡り一番で有り続けるということでした。
▲東一排骨はすでに2代目に受け継がれ、息子さんがキッチンを、娘さんがマーケティングを担当しています。
香るサクサク排骨
▲バナナパフェは食事の締めに最適です。
東一排骨のメニューの一つ一つにはそれぞれファンがいます。飲食店が全てのお客さんを満足させることは難しいですが、それぞれのメニューにファンがいるということは、それだけ魂のこもった料理を提供しているということを証明しています。東一排骨のメニューは意外にもシンプルで、メイン料理は「排骨、鶏もも、魚、牛バラ肉、カレー、麻油雞」の6種類です。これは、店主が「向上を続け極めるまで作る」という考えに重きを置いているためです。しかし、初めて看板メニューの排骨飯を注文したお客さんは間違いなくその量に驚きます。黄金色に輝く衣に包まれた排骨は、サクサクとした食感があるだけでなく、柔らかく弾力のある肉は歯ごたえがよく、芳醇な香りが鼻腔を刺激します。その瞬間は外界のしがらみを全て忘れさせてしまうほどです。ゆっくりとお肉を食べ進め、骨の接合部分にたどり着くと油の香りと程よい筋の歯ごたえが感じられます。違った味を試したいという人は、黒酢をかけるのがおすすめでで、酢の酸味によって脂っこさが打ち消されます。ここまででも十分満足できますが、まだおかずとご飯とスープがあります。ご飯はというと、これのために来店する常連客がたくさんいるほどです。もっと言えば、滷肉(ルーロー)のファンや野菜炒めのファンなど細分化されています。汁が染み込んだ滷肉を白いご飯と一緒に口へ運ぶと全身が幸福感で満たされます。滷肉飯目当てのお客さんが多いのも納得できます。もし排骨や滷肉が脂っこいと感じる場合は、野菜炒めで箸休めをしましょう。定番のキャベツやブロッコリーの他に、たまにニラ、きゅうり、豆干という干し豆腐などのおかずが出てきます。お腹が満たされた後は具たくさんのスープを飲むと、店主の細かな気配りが感じられます!

東一排骨(ドンイーパイグー)台北本店
台北市中正区延平南路61号
10:00—20:00|月曜定休
東一排骨本店 古き良き時代の懐かしい味
厳選した材料、こだわった雰囲気、おもてなしの心、 全てはお客様のために
文= 林家昌
編集= 下山敬之
写真= 台北市観光伝播局
ただの排骨飯にあらず
台北西側にある旧市街を散策すると、台北公会堂が見える細い通り沿いに「東一排骨台北本店」(ドンイーパイグー)の伝統的な緑の看板が並んでいます。古い建物の2階にあるこの店は、地元の人達の胃袋を満たすだけでなく、世界中から訪れる観光客も数多くもてなしています。近隣が時代の変化を見届けた「東一排骨本店」には、過去と現在の台北の人々の思い出が溢れています。お店の中には綺麗な一人の女性がカウンターで電話応対し、お客様を出迎え、時折料理様子を確認し、スタッフに丁寧に指導をしています。親切で穏やかな雰囲気を持つこの女性こそ、東一排骨の女将である何淑麗(ホーシューリン)さんです。
「最初は簡単なことをしたかっただけでした。私は料理ができるのでそれを仕事にし、万が一失敗してもそれほど赤字にならないだろうと考えていました」淡々と話す何さんからは、それほど難しいことはしていないという印象を受けました。しかし、実際には1971年の開業からすでに48年間も営業を続けています。始まりは約10坪の小さな店でしたが、今日では約300席の規模まで拡大しました。その間もずっとおいしい料理と温かいサービスでお客さんたちをもてなし続けてきました。
何さんは、メニューはすべてご自身で開発されたものと教えて下さいました。また、排骨のお店だからといって他の料理を研究しないわけではありません。すべての材料にこだわりを持ち、豚肉は新鮮なものを手作業で下処理しています。おかずは季節に応じた多様な野菜を使用し、無料で提供するスープにさえこだわりを持っています。また、台北では食後のフルーツは欠かせませんが、フルーツの盛り合わせやアイスを提供するフルーツバーは台湾全土でも5つ星ホテルと東一排骨くらいでしかお目にかかれません。
また、店内の雰囲気はどこか40年前の台北のディスコを思い起こします。巨大な陶器の花瓶、古いピアノ、ボッシュの音響、昔ながらのファストフード店にあるような赤い椅子、ステンドグラスの天井、新鮮な果物が入ったショーケース、様々な骨董品のコレクションなどがあり、テーブルを片せばすぐさま70年代のダンスフロアに早変わりします。店内には油汚れや乱雑な雰囲気は全くありません。お客さんのために丹精込めて作り上げたこの空間は、他の混雑した騒々しいお店とは違い、お友達と会話しながら食事をするのに最適です。
店内には20名ほどのスタッフがいて、接客方法にて一定の流れがあります。まずはお客さんを座席に案内し、それからスープ、メインとなるおかず、ご飯を慎重に運びます。スタッフは、ほとんどが中年のおじさんとおばさんで、そのうちの何人かは20、30年に渡りトレイ片手にお客さんの行き来を見守ってきました。常連客の人たちに話を聞くと「10代、20代の頃から通っていますが、味は全く変わっていません」という回答を多く頂きました。こうした感動的な思い出話が聞けるのも、老舗のお店ならではです。また、お店が華々しくオープンし現在まで続いている背景には、「他の排骨のお店と違うことをしたい」という単純な思いがあり、東一が守り続けている職人の精神は、長きに渡り一番で有り続けるということでした。
香るサクサク排骨
東一排骨のメニューの一つ一つにはそれぞれファンがいます。飲食店が全てのお客さんを満足させることは難しいですが、それぞれのメニューにファンがいるということは、それだけ魂のこもった料理を提供しているということを証明しています。東一排骨のメニューは意外にもシンプルで、メイン料理は「排骨、鶏もも、魚、牛バラ肉、カレー、麻油雞」の6種類です。これは、店主が「向上を続け極めるまで作る」という考えに重きを置いているためです。しかし、初めて看板メニューの排骨飯を注文したお客さんは間違いなくその量に驚きます。黄金色に輝く衣に包まれた排骨は、サクサクとした食感があるだけでなく、柔らかく弾力のある肉は歯ごたえがよく、芳醇な香りが鼻腔を刺激します。その瞬間は外界のしがらみを全て忘れさせてしまうほどです。ゆっくりとお肉を食べ進め、骨の接合部分にたどり着くと油の香りと程よい筋の歯ごたえが感じられます。違った味を試したいという人は、黒酢をかけるのがおすすめでで、酢の酸味によって脂っこさが打ち消されます。ここまででも十分満足できますが、まだおかずとご飯とスープがあります。ご飯はというと、これのために来店する常連客がたくさんいるほどです。もっと言えば、滷肉(ルーロー)のファンや野菜炒めのファンなど細分化されています。汁が染み込んだ滷肉を白いご飯と一緒に口へ運ぶと全身が幸福感で満たされます。滷肉飯目当てのお客さんが多いのも納得できます。もし排骨や滷肉が脂っこいと感じる場合は、野菜炒めで箸休めをしましょう。定番のキャベツやブロッコリーの他に、たまにニラ、きゅうり、豆干という干し豆腐などのおかずが出てきます。お腹が満たされた後は具たくさんのスープを飲むと、店主の細かな気配りが感じられます!
東一排骨(ドンイーパイグー)台北本店
台北市中正区延平南路61号
10:00—20:00|月曜定休
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