発表日:2021-03-10
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TAIPEI #23 (2021 春季号)
ニュージーランドの食通が愛した台湾の食事
文/Adam Hopkins
編集/下山敬之
写真/Samil Kuo、fazon1、Taiwan Scene、頤宮
台湾とニュージーランドはどちらも豊かな土着文化がある島国で、2020年のコロナ対応においても国際的に高い評価を得ているなど多くの共通点があります。台湾に住んで年になるモイラ‧ターリーさんは、台北のニュージーランド商工業局代表を務め、クリスマス直前に故郷のウェリントンへ旅立ちました。今季の《TAIPEI》では、帰任直前の彼女から台北の食べ物や外交官としての20年にわたる経験、台湾と他の国との違いについてお話を伺いました。
▲様々な国での駐在経験を持つモイラ・ターリーさんは、長期滞在する関係で各国の現地グルメを楽しむ機会があります。(写真/Samil Kuo)
かつてはマニラにも駐在した経験から、長らくアジアへ戻りたいと考えていたモイラさんは、台北への赴任が決まった際のことをこのように振り返ります。「海外にまた行く機会があれば、ぜひこの地域にと考えていました。家族が出来たばかりだったので、子供たちやパートナーも連れていけるところを探していたのですが、台湾とニュージーランドは経済的つながりがとても深く、民族的なつながりもあることから、余計魅力的に感じました」
台北は人口が多い割に混雑し過ぎず、MRTによってアクセスもしやすいとモイラさんは言います。また台北の公園についても「思ったよりもずっと緑が豊かですし、学校も子供たちが文化の違いに触れられることから非常に素晴らしい場所だと思います」と感想を述べています。
台北の食文化について
20年にわたる外交官生活を通じて、数多くの国々を訪れたモイラさんは、ローカルな食文化を楽しむ食通なのだとか。そんな彼女が台北での4年間を振り返って思うことは、台北を見誤っていたということだそうです。「北アジアには住んだことがなかったので、地域の多様性が理解できていませんでした。台湾の食事は中国と日本から影響を受けている分、より多彩で素晴らしいと思いました」
辛いものが好きな彼女のお気に入りの店は、四川料理を提供する四川吳抄手(スーチュアンウーチャオショウ)。60年以上前に麺屋としてスタートしたこのお店は、現在はポーク餃子が人気でビブグルマンに認定されたレストランです。
▲辛い料理が好きなモイラさんが特に気に入ったのが台北にある四川呉抄手です。(写真 /Samil Kuo)
グルメ天国として知られる台北は2018年からミシュランガイド台北版が発行されていますが、彼女はそれを参考にあちこちの店に足を運ぶそうです。取材にうかがった週も三つ星の広東料理頤宮グア)ンドンリャオリーイーゴンと一つ星の大三元酒樓(ダーサンユエンジョウロウ)を訪れていました。モイラさんによれば、前者は鴨のローストと豆腐料理、後者はアワビの酒蒸しなど海鮮やパパイヤのグラタンが有名だそうです。また、モイラさんは高級なお店よりもリーズナブルなビブグルマンのレストランの方が気に入っているそうで、その理由を「安価というだけでなく多彩な味が楽しめるからです」と答えています。

▲ミシュランの3つ星を獲得した頤宮は、店内に漂うアジアの雰囲気と高級な広東料理で、視覚と味覚の両方を満。
「夜市は最高です。饒河街観光夜市の胡椒餅、そして子供たちも大好きな、葱油餅はあちこちで売っていて、とにかく美味しいです」そう答えるモイラさんにとって、子供たちと一緒に夜市に出かけることは、現地の文化体験や地域の人たちとの交流、そして何よりローカルの味を楽しむという点において最良の方法です。
▲モイラさんにとって夜市も非常に魅力的で、中でも饒河街にある夜市は彼女が気に入っている場所の一つです。(写真 /fazon1)
▲台北のあちこちで見かける胡椒餅はモイラさんのお子さんも大好きな点心です。(写真/Taiwan Scene)
また、夜市以外にもモイラさんは台北の食の豊かさを感じたと言います。「夜市だけでなく、フードコードでも本当に良いものが食べられることが嬉しかったです。ニュージーランドではなぜかファーストフードくらいしか選択肢がないので、それらが食べられなくなることは寂しいです」
そんな彼女が唯一ハマらなかったのが台北でも人気の「火鍋」だそうです。理由は自宅で作れそうだから。牛肉麺や鼎泰豊のピリ辛茹でエビワンタンは大好きだそうですが、ニュージーランドには鼎泰豊がないそうです。
台北に故郷の温かみ
自国とは異なる文化圏に駐在する外交官は、自分のルーツを感じられるものを探すそうです。モイラさんで言えばニュージーランド料理。そんな彼女におすすめのお店を尋ねると、国立師範大學けでなく台湾全土をとても気の近くにあるKiwi Gourmet Burgerと答えてくれました。「ニュージーランドビーフを使用しているお店で、経営もニュージーランド人がしています。雰囲気も味も地元とほとんど同じ味ですし、それにミルクシェイクが最高なんです」
外食と同じぐらい自炊も好きなモイラさんは、台北ではニュージーランドの製品が簡単に見つけられると話します。また、ニュージーランドでもアジア系レストランが多く、ベトナム系のお店に行けば、かなり良い材料が手に入ります。
台北での家族生活
仕事の関係でトルコやオーストラリア、フィリピンなどで生活してきたモイラさんにとって台北への転任はそれほど難しいものではなかったものの、家族のことは悩んだそうです。しかし、最終的に11歳の娘さんと10歳になる双子の息子さんたちは、台北だけでなく台湾全土をとても気に入り、最近では島の南端に位置する墾丁と東部の太魯閣に足を運んでいます。
台湾へ移住する外国人にとって難しいのが言語の習得です。特に中国語は世界中の言語でも難しい部類に入ることから、海外経験が豊富なモイラさんも苦労したと言います。「タガログ語は少し学びました。といってもフィリピン人はほとんど英語が話せるのですが。トルコ語も少し話せますが、中国語は本当に難しく、なかなか話せるようになりません」
モイラさんが台北生活における恩恵の一つと考えているのが、子供たちの経験で、「若いうちに異なる文化、異なる言語に触れられたことは本当に良かったです。」と答えてくれました。台北は外国人対して友好的な人が多いので、中国語を学習する上では最良の環境だったと言えるでしょう。
今回のインタビューを通して、モイラさん一家の台北生活が素晴らしい恩恵にあふれる楽しいものであったことが良く伝わってきました。旅立ったときにも、きっと素晴らしい思い出と美味しい食事の記憶をたくさん持って帰国されたのではないでしょうか。
ニュージーランドの食通が愛した台湾の食事
文/Adam Hopkins
編集/下山敬之
写真/Samil Kuo、fazon1、Taiwan Scene、頤宮
台湾とニュージーランドはどちらも豊かな土着文化がある島国で、2020年のコロナ対応においても国際的に高い評価を得ているなど多くの共通点があります。台湾に住んで年になるモイラ‧ターリーさんは、台北のニュージーランド商工業局代表を務め、クリスマス直前に故郷のウェリントンへ旅立ちました。今季の《TAIPEI》では、帰任直前の彼女から台北の食べ物や外交官としての20年にわたる経験、台湾と他の国との違いについてお話を伺いました。
かつてはマニラにも駐在した経験から、長らくアジアへ戻りたいと考えていたモイラさんは、台北への赴任が決まった際のことをこのように振り返ります。「海外にまた行く機会があれば、ぜひこの地域にと考えていました。家族が出来たばかりだったので、子供たちやパートナーも連れていけるところを探していたのですが、台湾とニュージーランドは経済的つながりがとても深く、民族的なつながりもあることから、余計魅力的に感じました」
台北は人口が多い割に混雑し過ぎず、MRTによってアクセスもしやすいとモイラさんは言います。また台北の公園についても「思ったよりもずっと緑が豊かですし、学校も子供たちが文化の違いに触れられることから非常に素晴らしい場所だと思います」と感想を述べています。
台北の食文化について
20年にわたる外交官生活を通じて、数多くの国々を訪れたモイラさんは、ローカルな食文化を楽しむ食通なのだとか。そんな彼女が台北での4年間を振り返って思うことは、台北を見誤っていたということだそうです。「北アジアには住んだことがなかったので、地域の多様性が理解できていませんでした。台湾の食事は中国と日本から影響を受けている分、より多彩で素晴らしいと思いました」
辛いものが好きな彼女のお気に入りの店は、四川料理を提供する四川吳抄手(スーチュアンウーチャオショウ)。60年以上前に麺屋としてスタートしたこのお店は、現在はポーク餃子が人気でビブグルマンに認定されたレストランです。
グルメ天国として知られる台北は2018年からミシュランガイド台北版が発行されていますが、彼女はそれを参考にあちこちの店に足を運ぶそうです。取材にうかがった週も三つ星の広東料理頤宮グア)ンドンリャオリーイーゴンと一つ星の大三元酒樓(ダーサンユエンジョウロウ)を訪れていました。モイラさんによれば、前者は鴨のローストと豆腐料理、後者はアワビの酒蒸しなど海鮮やパパイヤのグラタンが有名だそうです。また、モイラさんは高級なお店よりもリーズナブルなビブグルマンのレストランの方が気に入っているそうで、その理由を「安価というだけでなく多彩な味が楽しめるからです」と答えています。
「夜市は最高です。饒河街観光夜市の胡椒餅、そして子供たちも大好きな、葱油餅はあちこちで売っていて、とにかく美味しいです」そう答えるモイラさんにとって、子供たちと一緒に夜市に出かけることは、現地の文化体験や地域の人たちとの交流、そして何よりローカルの味を楽しむという点において最良の方法です。
また、夜市以外にもモイラさんは台北の食の豊かさを感じたと言います。「夜市だけでなく、フードコードでも本当に良いものが食べられることが嬉しかったです。ニュージーランドではなぜかファーストフードくらいしか選択肢がないので、それらが食べられなくなることは寂しいです」
そんな彼女が唯一ハマらなかったのが台北でも人気の「火鍋」だそうです。理由は自宅で作れそうだから。牛肉麺や鼎泰豊のピリ辛茹でエビワンタンは大好きだそうですが、ニュージーランドには鼎泰豊がないそうです。
台北に故郷の温かみ
自国とは異なる文化圏に駐在する外交官は、自分のルーツを感じられるものを探すそうです。モイラさんで言えばニュージーランド料理。そんな彼女におすすめのお店を尋ねると、国立師範大學けでなく台湾全土をとても気の近くにあるKiwi Gourmet Burgerと答えてくれました。「ニュージーランドビーフを使用しているお店で、経営もニュージーランド人がしています。雰囲気も味も地元とほとんど同じ味ですし、それにミルクシェイクが最高なんです」
外食と同じぐらい自炊も好きなモイラさんは、台北ではニュージーランドの製品が簡単に見つけられると話します。また、ニュージーランドでもアジア系レストランが多く、ベトナム系のお店に行けば、かなり良い材料が手に入ります。
台北での家族生活
仕事の関係でトルコやオーストラリア、フィリピンなどで生活してきたモイラさんにとって台北への転任はそれほど難しいものではなかったものの、家族のことは悩んだそうです。しかし、最終的に11歳の娘さんと10歳になる双子の息子さんたちは、台北だけでなく台湾全土をとても気に入り、最近では島の南端に位置する墾丁と東部の太魯閣に足を運んでいます。
台湾へ移住する外国人にとって難しいのが言語の習得です。特に中国語は世界中の言語でも難しい部類に入ることから、海外経験が豊富なモイラさんも苦労したと言います。「タガログ語は少し学びました。といってもフィリピン人はほとんど英語が話せるのですが。トルコ語も少し話せますが、中国語は本当に難しく、なかなか話せるようになりません」
モイラさんが台北生活における恩恵の一つと考えているのが、子供たちの経験で、「若いうちに異なる文化、異なる言語に触れられたことは本当に良かったです。」と答えてくれました。台北は外国人対して友好的な人が多いので、中国語を学習する上では最良の環境だったと言えるでしょう。
今回のインタビューを通して、モイラさん一家の台北生活が素晴らしい恩恵にあふれる楽しいものであったことが良く伝わってきました。旅立ったときにも、きっと素晴らしい思い出と美味しい食事の記憶をたくさん持って帰国されたのではないでしょうか。
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