発表日:2021-03-15
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TAIPEI #23 (2021 春季号)
知られざる無名の名店4選
文/AYCC
編集/下山敬之
写真/David Emrich、 April Chen
台北と言えば屋台料理が豊富なグルメ天国です。そんな台北に来たらまず足を運ぶべき場所が夜市。また、現在ではそれ以外にも旅行好きのブロガーや国際的なメディアがオススメする人気レストランも多く、Googleマップを使えば簡単に検索ができます。しかし、世界中にファンを抱えているのは、結局のところ慎ましく営業している素朴なお店で、豪華なブランド名などを掲げていないことも珍しくありません。メニューもシンプルな麺や家庭料理など豪華なものではなく、ただ何十年も変わらずに提供し続けているだけですが、そんな料理が時として極上の一品に感じられることもあります。
今回、《TAIPEI》では小さな路地などの小道を探索し、地元の人しかいかないような場所や街並みに隠れるようにひっそりと存在している4つの名店を見つけるに至りました。これらのお店は長年地域の食を支えてきた伝統的なお店ばかりなので、気になるお店があったらぜひ足を運んでみてください。
▲台北の小さな通りにはいずれも隠れた名店があり、著名なブランドなどがなくても食事時には長蛇の列を作ります。(写真/David Emrich)
石牌無名蛋餅....北投区
「一日の中で朝食が最も大事」とよく言いますが、私たちがセレクトした1軒目のお店は石牌(シーパイ)という地域にある朝食のお店です。メニューは揚げパンの「油條」や台湾式おにぎりの「飯糰」など様々。その中でも特に人気なのが、卵で作ったクレープの「蛋餅」です。
▲絶品の蛋餅を提供する石牌の朝食屋さんは、朝食時になると多くの人が訪れます。
店の主人いわくこのお店の蛋餅は100%手作りで、機械を使わずに手で巻くため厚みがあります。外はカリカリ、中はもっちりとして、酸味のきいたチリソースをかければさらに美味しさが引き立ちます。台湾を代表するミシュランシェフ・江振誠(ジャンジェンチェン)もお気に入りで、この近隣で育った彼にとって忘れられない味だそうです。また、玄米とピーナッツで作ったライスミルク(米漿)につけるのが、江氏をはじめとする地元流の食べ方。他にも大根餅の「蘿蔔糕」や甘いピーナッツスープも人気です。形の整った蘿蔔糕を食べた後は、柔らかく煮込まれた甘いピーナッツのスープで朝食を締めくくりましょう。
▲蛋餅、蘿蔔糕、米漿、そしてピーナッツスープはこの朝食屋さんにおける最高の組み合わせです。蛋餅を米漿に浸けるのが地元流の食べ方です。
◼️住所:北投区実践街48巷7号
◼️營業時間:6:00~11:00(火曜定休)
赤峰街無名排骨飯...大同区
台湾のお弁当としても人気のある排骨飯は、台湾の労働者階級の胃袋を支える重要なタンパク源として、古くから台湾の食文化に根付きました。赤峰街(ツーフォンジエ)の古いアパートの中にある小さなこの店は、40年にもなる排骨飯の老舗。ちょうど最近、先代から娘夫婦へと代替わりしたそうです。
お店はわずか4m²のスペースにテーブルが4つあるだけで、席は10席のみ。しかし、どれだけ混雑してもお客さんが途切れることはないところは地元の老舗として根付いている証拠と言えるでしょう。肝心の排骨飯は醤油に八角、砂糖を使って豚肉をしっかりと煮込んでいるので甘さとしょっぱさの加減が絶妙。価格もセットでNT$100とリーズナブルですが、豚肉は信じられないほど肉厚です。また、辛いものが好きな方にはスパイシーな味付けをしたバージョンもあります。
▲赤峰街にある排骨飯は一度揚げてから煮ることで肉汁をすべて内側に閉じ込めています。
行列を避けるならランチタイム前かディナー前がおすすめ。私たちは火曜日の午後7時ごろに足を運びましたが、30分ほど待ちましたし、売り切れる寸前だったので注意しましょう。
◼️住所:大同区赤峰街4号
◼️營業時間:12:00 ~ 14:00、17:30~20:00(土日定休)
延寿街無名麺店...松山区
陽春麺はネギなどをトッピングしただけのシンプルであっさりとした一品です。多くのお店で提供しているメニューですが、その中でも最高のものを味わうのであれば看板も店名もない延寿街(イェンショウジエ)にあるこの名店に足を運んでみてください。
▲延寿街の麺屋さんは街角にひっそりとあることから、地元の人でも名店だと知らない人も多いです。
ただ、民生社区(ミンションシャーチュー)の混みあう道路脇にあるこのお店は、看板を掲げて いないので見つけるのが困難。しかし、台北の一般的な営業時間よりも少し長い午前11:30~午後4:00まで営業していることから、午後3時ごろでもタクシードライバーやショップ店員などが遅めのランチや早めの夕食を食べる人たちが行列を作っています。メニューの中でもメインと言える陽春麺は台湾家庭でも普通に並ぶことがある家庭の味です。優しい味のスープと柔らかい麺が懐かしい記憶を呼び起こしてくれることでしょう。
その他にも台湾風の煮込み料理である滷味(ルーウェイ)もおすすめですし、昆布や豚の頭皮、豚トロ、干し豆腐などのサイドメニューも栄養満点の一品です。
▲陽春麺と滷味は台北のあちこちで見かけますが、延寿街にある麺屋さんではこれこそが看板メニューです。
◼️住所:松山区延寿街330巷20弄1号
◼️營業時間:11:30~16:00(日曜定休)
士林深夜炒羊肉...士林区
台湾では熱炒という炒め物を中心とした料理が最も一般的な「懐かしの味」とされていて、中でもラム肉を炒めた料理は熱炒に欠かすことが出来ません。そんなラム肉炒めの名店とも呼べるお店は、多くの人で賑わう士林夜市にありました。ただ、営業時間が深夜12時から午前3:30までと遅く、すぐに閉まってしまうので幻とも呼べるお店です。現在の店主は二代目を受け継いだ二人の姉妹で、今でも露店というスタイルを守り続けています。
▲士林には深夜から営業を始めるラム肉の名店があり、遅い時間の台北を楽しむのに最適です。
メニューはラム肉炒めにご飯、季節のスープ、そしてビールの4品のみ。これはお店を始めた20年前から変わっていません。中にはラム肉の独特な臭いが苦手という人もいると思いますが、ここでは多くのお客さんが味を楽しめるようラム肉の鮮度とサーチャーソースにこだわっているそうです。特にソースは大量生産する一般的なレストランとは異なり、何世代にもわたって伝えられてきた秘伝のレシピで作られているので、胡麻の香り豊かなソースが肉の味を引き立てています。また、柔らかな肉と特製ソースに加え、空芯菜も通常の3倍ほど出してくれますし、辛いものが好きな方向けにスパイシーなメニューもあります。
▲沙茶醤をかけた熱炒羊肉は夜中に食べるおかずの中でも最高の一品と言えるでしょう。
◼️住所:士林区大東路21之3号
◼️營業時間:0:30~3:30(火水定休)
知られざる無名の名店4選
文/AYCC
編集/下山敬之
写真/David Emrich、 April Chen
台北と言えば屋台料理が豊富なグルメ天国です。そんな台北に来たらまず足を運ぶべき場所が夜市。また、現在ではそれ以外にも旅行好きのブロガーや国際的なメディアがオススメする人気レストランも多く、Googleマップを使えば簡単に検索ができます。しかし、世界中にファンを抱えているのは、結局のところ慎ましく営業している素朴なお店で、豪華なブランド名などを掲げていないことも珍しくありません。メニューもシンプルな麺や家庭料理など豪華なものではなく、ただ何十年も変わらずに提供し続けているだけですが、そんな料理が時として極上の一品に感じられることもあります。
今回、《TAIPEI》では小さな路地などの小道を探索し、地元の人しかいかないような場所や街並みに隠れるようにひっそりと存在している4つの名店を見つけるに至りました。これらのお店は長年地域の食を支えてきた伝統的なお店ばかりなので、気になるお店があったらぜひ足を運んでみてください。
石牌無名蛋餅....北投区
「一日の中で朝食が最も大事」とよく言いますが、私たちがセレクトした1軒目のお店は石牌(シーパイ)という地域にある朝食のお店です。メニューは揚げパンの「油條」や台湾式おにぎりの「飯糰」など様々。その中でも特に人気なのが、卵で作ったクレープの「蛋餅」です。
店の主人いわくこのお店の蛋餅は100%手作りで、機械を使わずに手で巻くため厚みがあります。外はカリカリ、中はもっちりとして、酸味のきいたチリソースをかければさらに美味しさが引き立ちます。台湾を代表するミシュランシェフ・江振誠(ジャンジェンチェン)もお気に入りで、この近隣で育った彼にとって忘れられない味だそうです。また、玄米とピーナッツで作ったライスミルク(米漿)につけるのが、江氏をはじめとする地元流の食べ方。他にも大根餅の「蘿蔔糕」や甘いピーナッツスープも人気です。形の整った蘿蔔糕を食べた後は、柔らかく煮込まれた甘いピーナッツのスープで朝食を締めくくりましょう。
◼️住所:北投区実践街48巷7号
◼️營業時間:6:00~11:00(火曜定休)
赤峰街無名排骨飯...大同区
台湾のお弁当としても人気のある排骨飯は、台湾の労働者階級の胃袋を支える重要なタンパク源として、古くから台湾の食文化に根付きました。赤峰街(ツーフォンジエ)の古いアパートの中にある小さなこの店は、40年にもなる排骨飯の老舗。ちょうど最近、先代から娘夫婦へと代替わりしたそうです。
お店はわずか4m²のスペースにテーブルが4つあるだけで、席は10席のみ。しかし、どれだけ混雑してもお客さんが途切れることはないところは地元の老舗として根付いている証拠と言えるでしょう。肝心の排骨飯は醤油に八角、砂糖を使って豚肉をしっかりと煮込んでいるので甘さとしょっぱさの加減が絶妙。価格もセットでNT$100とリーズナブルですが、豚肉は信じられないほど肉厚です。また、辛いものが好きな方にはスパイシーな味付けをしたバージョンもあります。
行列を避けるならランチタイム前かディナー前がおすすめ。私たちは火曜日の午後7時ごろに足を運びましたが、30分ほど待ちましたし、売り切れる寸前だったので注意しましょう。
◼️住所:大同区赤峰街4号
◼️營業時間:12:00 ~ 14:00、17:30~20:00(土日定休)
延寿街無名麺店...松山区
陽春麺はネギなどをトッピングしただけのシンプルであっさりとした一品です。多くのお店で提供しているメニューですが、その中でも最高のものを味わうのであれば看板も店名もない延寿街(イェンショウジエ)にあるこの名店に足を運んでみてください。
ただ、民生社区(ミンションシャーチュー)の混みあう道路脇にあるこのお店は、看板を掲げて いないので見つけるのが困難。しかし、台北の一般的な営業時間よりも少し長い午前11:30~午後4:00まで営業していることから、午後3時ごろでもタクシードライバーやショップ店員などが遅めのランチや早めの夕食を食べる人たちが行列を作っています。メニューの中でもメインと言える陽春麺は台湾家庭でも普通に並ぶことがある家庭の味です。優しい味のスープと柔らかい麺が懐かしい記憶を呼び起こしてくれることでしょう。
その他にも台湾風の煮込み料理である滷味(ルーウェイ)もおすすめですし、昆布や豚の頭皮、豚トロ、干し豆腐などのサイドメニューも栄養満点の一品です。
◼️住所:松山区延寿街330巷20弄1号
◼️營業時間:11:30~16:00(日曜定休)
士林深夜炒羊肉...士林区
台湾では熱炒という炒め物を中心とした料理が最も一般的な「懐かしの味」とされていて、中でもラム肉を炒めた料理は熱炒に欠かすことが出来ません。そんなラム肉炒めの名店とも呼べるお店は、多くの人で賑わう士林夜市にありました。ただ、営業時間が深夜12時から午前3:30までと遅く、すぐに閉まってしまうので幻とも呼べるお店です。現在の店主は二代目を受け継いだ二人の姉妹で、今でも露店というスタイルを守り続けています。
メニューはラム肉炒めにご飯、季節のスープ、そしてビールの4品のみ。これはお店を始めた20年前から変わっていません。中にはラム肉の独特な臭いが苦手という人もいると思いますが、ここでは多くのお客さんが味を楽しめるようラム肉の鮮度とサーチャーソースにこだわっているそうです。特にソースは大量生産する一般的なレストランとは異なり、何世代にもわたって伝えられてきた秘伝のレシピで作られているので、胡麻の香り豊かなソースが肉の味を引き立てています。また、柔らかな肉と特製ソースに加え、空芯菜も通常の3倍ほど出してくれますし、辛いものが好きな方向けにスパイシーなメニューもあります。
◼️住所:士林区大東路21之3号
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