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台北にあるバーの隠れた魅力 (TAIPEI Quarterly 2021 春季号 Vol.23)

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発表日:2021-03-15

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TAIPEI #23 (2021 春季号)

台北にあるバーの隠れた魅力 

文/Dyann Jiang
編集/下山敬之
写真/Samil Kuo、当吧


「ワインは人を楽にしてくれる。落ち着かせてくれる。緊張を和らげてくれる。そして寛大にしてくれる。」

とかのベンジャミン‧フランクリンは言いました。東アジア随一の魅力を誇る台北は、夕暮れ時になると無数のバーの明かりが灯り、お酒好きの人たちがお店の持つストーリーや隠れメニュー、神秘的な魅力に惹かれてやってきます。

台北のバーは日本統治時代や米軍の台湾駐屯時代といった文化背景の変化やそれによる自国意識の向上と共に進化してきましたし、その過程では文化の衝突や世代交代などもありました。そうした興味深いストーリーやそこから生まれたメニューもまた大きな魅力です。また、バーの種類も多種多様で、カフェバーや隠れ家的なバー、日本風のシーシャバー、ヒップホップバー、ドラァグクイーンがショーを行うゲイバー、伝統的な台湾珍味が楽しめるバーなどがあります。開門頁_Fuji_當吧▲台北には多用なナイトライフがあるので、どこから来た人でも気に入った場所を見つけることができます。(写真/当吧)

こうした華やかな雰囲気が楽しめるのも台北の魅力の一つで、多くの旅行客が隠れた名店を目当てにバーを巡るのも納得です。フランスには「真実はグラスの底にある」ということわざがありますが、本当に良いお店もまた表面からは見えない裏側まで理解してはじめて見つけられるものなのでしょう。

ここでは台北の特徴的なバーをつ紹介していきますので、ぜひ名店という「宝探し」に役立ててください。


Bar Weekend
司旅というホテルの地下には暗めで落ち着いた雰囲気のBar Weekendがあります。天井にはピンク色に染まった桜の枝、西側の壁には照明のに拠って真っ赤な夕日があるという黄昏時の幻想的な空気感を演出したお店です。Barweekend -9▲Bar Weekendにある桜が飾られた席に座ると日常を忘れることができます。

2020年3月にオープンしたBar Weekendは、かつて台北で大きな人気を集めたSwagger x Old’98というバーを引き継いでいるので、当時の伝説的なマネージャー兼バーテンダーのWade氏が作る有名なティーカクテルが楽しめます。Barweekend -16▲Bar Weekendのマネージャーを務めるWadeさんが作るお茶を使ったカクテルは絶品です。

ウェルカムドリンクの日替わりのお茶とキャラメル風味のヒマワリの種が出てきた後は早速ドリンクをオーダー。カウンターはストレートとカクテルとで2つに分かれているので、好みに合わせて好きな方を選び注文しましょう。

このお店にはメニューがなく、バーテンダーにリクエストを伝えれば、要望に合わせた最適な飲み物を用意してくれます。ただ、その中でも特に試してほしいのがティーカクテル。鉄観音や東方美人茶、抹茶にお酒、フレッシュジュースから豆乳と様々な組み合わせのスペシャルブレンドが味わえます。これまでに体験したことがなく、ここ以外ではおそらく出会うことができない味を知ることができるでしょう。ぜひ、新しい世界の扉を開けてみてください。Barweekend -19▲鉄観音茶とハチミツをブレンドしたカクテルは、お茶の甘い香りが口の中に広がります。

◼️住所:大安区信義路三段147巷18号
◼️營業時間:19:30~1:00(日月定休)


BAR PUN
台北における最も人気なスピークイージーと言えばBAR PUN。店名のPUNは台湾語の「香り」や「蜂」と発音が似ていることから命名されたのだとか。

「Speakeasy(スピークイージー)」とは、もともと1920年代~30年代にかけての米国禁酒法時代における「闇酒場」のことで、警察などに見つからないよう声を潜めて会話していたことから生まれた呼び名です。

BAR PUNも同様に秘密やプライベートが守られたお店で、入り口へと続く段階すら容易には見つけられません。人ひとりがやっと通れるほどの薄暗く狭い火災用の避難路を通り、呼び鈴代わりの火災報知器を押すことでようやく店内へ入れるという仕組みになっています。Bar Pun -27​​​​​​​​​​​​​​▲路上からは入り口が見えないBAR PUNは、火災用の避難路を通って呼び鈴となっている火災報知器を押すことでたどり着くことができます。

店内はカウンター、ソファ、立ち飲み席の3つに分かれていて、すべて黒、グレー、白といったモノトーンで統一されるなどエレガントな雰囲気を醸し出しています。メニューはクラシックなシグネチャーカクテルもおすすめですが、試してほしいのは「PUN Experience」。これはダチョウ肉、鴨の胸肉、タケノコなど、エキゾチックな珍味と限定カクテルがセットになったメニューです。Bar pun -1▲BAR PUNは黒と金、灰色の配色で控えめながらも豪華な雰囲気を作り上げています。

お店を出るときにはウェイターが出口まで送ってくれます。出口は入り口と別になっていて、外に出るとその扉が入り口を探していたときにウロウロとさまよっていた場所のすぐ近くにあったことに気づきます。狐につままれたような気分になり思わず微笑んでしまうことでしょう。Bar pun -10▲BAR PUNではおしゃれなバーテンダーが見事な製氷技術で厳しいサイズ規定をクリアした角氷を提供しています。

◼️住所:大安区信義路四段378巷5号
◼️營業時間:
18:30~2:00(月曜-火曜)
18:30~3:00(金曜、土曜)
20:00~2:00(日曜)


小酒 Shochu Sake Bar
元々、華山1914 文化創意産業園区内の居酒屋だった小酒(シャオジョウ)は、オープン当初、多様な日本酒を楽しめるお店として登場しました。その後、義麵坊華山小酒吧(イーミェンファンホァシャンシャオジョウバー)の中に店を構え、2020年に中山区へと移転。その際に真の日本酒を楽しめる心地よいプライベート空間として生まれ変わりました。

小酒はお米、麹、水、土地の繋がりが生み出すお酒の魅力に深く触れられる場所で、壁面には日本の酒造から取り寄せた日本酒をディスプレイとして並べてあります。また、このお店は全席予約制です。

オーナーの簡國正(ジェングォジャン)さんは、「日本酒は色々な温度で楽しめるお酒です。その良さがわかる人にこそお出ししたいです」と話しています。小酒 - 7​​​​​​​▲小酒のオーナー簡国正さんは、よく自らがバーテンダーとなりお客さんに様々な日本酒の飲み方を紹介しています。

ただ、一見さんお断りというわけではありません。予約システムもお客さんとのつながりを深め、よりプライベートな雰囲気で日本酒の素晴らしさとその文化を紹介したいという思いから採用していて、一度店内に入れば簡さんと一緒にお酒を楽しむ友人となることができます。

日本酒の知識が無い方でも問題ないので、日本酒のグラスを片手に簡氏が話す様々なストーリーや知識を聞いてみてはいかがでしょうか。小酒 - 9​​​​​​​▲小酒に足を運ぶと日本各地から集めた季節限定のお酒や珍しい日本酒が楽しめます。

◼️住所:中山区中山北路二段11巷7之1号
◼️營業時間:
17:30~1:00(月曜-木曜)
17:30~2:00(金曜、土曜)
(日曜定休)


当吧Pawn Bar
失恋の辛さは、たとえ時間がかかったとしても1万杯のお酒が癒やしてくれることもあります。

辛い記憶から解放される際にお酒の力を借りることもあると思いますが、辛い思い出の品をお酒と交換してくれるバーがあるとしたら興味はあるでしょうか?

1975年にオープンした当吧(ダンバー)は、質屋を改装して出来たお店。中国語で「当舗」と言えば質屋を意味していて、店内は名前の通りその名残を感じさせます。入り口を入った後は質屋のカウンターにあるベルを鳴らせばバーの中へと案内してもらえます。trig_008​​​​​​​▲当吧の内装はレトロな雰囲気が残っていて、1970年代の台湾を彷彿とさせます。(写真/当吧)

パンフレットやチラシを思わせるカラフルなメニュー表には、グァバジュースやアスパラガスジュース、タロアイスクリームといったローカルメニューがズラり。フード類も伝統的なスナックが中心となっているので、40年前の台湾にタイムスリップしたかのような雰囲気を楽しめるでしょう。hey!​​​​​​​▲当吧では黒松のサルシコーラなど台湾を代表する飲み物を使ったカクテルを提供しています。( 写真/当吧)

また、このお店独自のシステムとして質入れタイムがあります。これは夜8時から10時の間に質入れしたい品を出して思い出を語ると、バーテンダーが買取価格を査定し、金額に応じたチケットがもらえます。辛い恋の思い出がある方は、品物をお酒に変えて気持ちを軽くしてみてはいかがでしょうか。trig_001​​​​​​​▲質屋をリフォームして作られた当吧は、かつての入り口と内装がそのまま残されています。(写真/当吧)

◼️住所:中山区長安東路一段45之2号1階
◼️營業時間:20:00~2:30


Daily by Draft Land
アフタヌーンティーならぬアフタヌーンカクテルを楽しみたい方におすすめなのがDaily by Draft Landというお店。

2019年、2020年と続けてアジア圏のトップバー50選に入ったお店で、「生カクテル」という生ビールのカクテルが体験できます。もともとはDraft Landという人気のお店でしたが、2020年からはDaily by Draft Landという新ブランドを立ち上げ、日中から楽しめるバーとなりました。Daily by Draft Land-3​​​​​​​▲Daily by Draft Landには様々な種類のカクテルをタップで注ぐという特徴があります。

店内は明るく広々とした空間となっていて、窓から注ぎ込む太陽の光を浴びながら座り心地のいい椅子でくつろげるカフェのようなお店。ただ、壁にはハッキリと「It’s not a coffee shop(カフェではありません)」と書かれていて、温かく甘いカクテルの香りが漂っています。Daily by Draft Land-12​​​​​​​▲明るく広々とした店内は、昼間からお酒を飲む罪悪感を取り除いてくれる空間設計となっています。

生カクテルのメニューは常に入れ替わっていて、他にも地ビールやフレッシュフルーツ、お茶をベースとしたスペシャルドリンクも楽しめます。お酒は度数が高くないものやノンアルコールドリンクとなっているので、忙しい日常の中でリフレッシュしたり、リラックスした時間を過ごしたい方におすすめです。Daily by Draft Land-8​​​​​​​▲フルーツやコンブチャを使ったオリジナルのドリンクは、アルコールを入れるかどうかを選択できるようになっています。

いつもの午後にちょっとしたアクセントを加えたいときは、ぜひこのお店にお立ち寄りください。明るい音楽や人々の笑い声、そしてかすかなお酒の香りが気持ちを軽くしてくれるでしょう。

◼️住所:大安区四維路76巷7号1階
◼️營業時間:13:00~19:00(月曜定休)

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