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ほろ苦く甘い台湾コーヒーの香り (TAIPEI Quarterly 2022 春季号 Vol.27)

アンカーポイント

発表日:2022-03-22

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TAIPEI #27 (2022 季号)


ほろ苦く甘い台湾コーヒーの香り

文: Elisa Cohen
編集: 下山敬之
写真: Samil Kuo、Taiwan Scene


台北で美味しいコーヒーを探すことは難しくありません。世界的に有名なチェーン店が街のいたる所にありますし、小道に入れば上質な豆をセレクトし、自家焙煎の設備を備えた独立系カフェも隠れており、常にコーヒー愛好家たちを魅了しています。ここ数年、そんな愛好家たちの間で人気が高まっているのが台湾で栽培された国産コーヒーです。

《TAIPEI》ではその台湾生まれのコーヒーの魅力をもっとたくさんの人々に知ってもらえるよう、台湾国産コーヒー豆だけを取り扱う森高砂咖啡館(センガオシャーカーフェイグァン)の創業者にお話を伺いました。

1_LIN9189 (Copy)▲産地直送の台湾コーヒーはお茶のような風味と甘い後味が感じられます。

台湾産コーヒーの甘い後味
日本時代であった1940年代、台湾は約1000ヘクタールもの広さの農地にコーヒー豆を植えるなど、コーヒー産業が最も発展した時期でした。当時の台湾は、東アジア最大のコーヒー生産国だったのです。その後、戦争や政権交代の影響で、コーヒー産業は徐々に衰退の一途をたどりますが、2000年代になって多くの小規模農家台湾全土のコーヒー農家と関わる中で、董氏は国産コーヒーには後味に家がコーヒー栽培を再開。現在では中央、南部、東部の山間地域で栽培が行われています。

長きにわたり大量生産方式を採用してきた他のコーヒー生産地とは異なり、台湾のコーヒー豆は小規模な独立農家によって栽培されており、収穫から発酵、そして焙煎まですべてを行っています。

3.IMG_4601 -Edited (Copy)▲小規模農家が丹精を込めて栽培した台湾のコーヒー豆は、その土地ならではの独特の風味があります。(写真/Taiwan Scene)

「台湾の国産コーヒーは淹れている間にお茶のような香りが漂うとよく言われますが、実はそれは新鮮なコーヒー豆の香りなのです」と語るのは、森高砂咖啡館の創業者、董鼎禾(ドン‧ディンホー)氏。コーヒー豆は地域の農場で栽培されているため、収穫処理の後すぐに焙煎し挽かれています。それゆえに、輸入豆とは味が全く異なるのです。

台湾全土のコーヒー農家と関わる中で、董氏は国産コーヒーには後味に甘みがあるという独自の特徴を発見しました。これはスクロースの割合が高く、グルコースが少なめであることから、甘みの方が強く、酸味はそれほど感じないのです。もちろん生産地域によっても、それぞれ異なる特徴があります。雲林のコーヒーにはピーナッツのようなフレーバーがありますし、嘉義の豆にはフローラルな香り、台東のコーヒーは焙煎するとサトウキビの香りがします。

2_LIN8579 (Copy)▲台北では台湾各地で育てられたコーヒーが味わえます。

コーヒーが生み出すグリーンな環境
「台湾のコーヒーは想像以上です!」と董氏は熱弁を振るいます。森高砂咖啡館では国産のコーヒーのみを販売しており、国内および国際市場に向けて台湾生まれの「スペシャリティコーヒー」を届けることに尽力しています。

4._LIN8662 (Copy)▲董鼎禾氏は台湾のコーヒー産業がより発展することを願っています。

しかし、台湾のコーヒー農家はその大半が独立農家のため、すべてを自分たちで行わなくてはならず、生産コストがかさむことから、大量生産の輸入コーヒー豆と比べると競争力がありません。さらに、香料の添加など商業的に標準化した味を作ることができないという課題もあります。そのため、台湾ではジャマイカのブルーマウンテンやハワイのコナのような、国際的に認知されたブランドを生み出すことができないのが現状です。

この問題に取り組むべく、森高砂咖啡館では農場での収穫や生豆の加工処理を最適化するために、プロのバリスタを雇いました。これによりコストが徐々に削減され、継続的な生豆の品質改善が可能となったのです。

5._LIN8751 (Copy)▲森高砂では多様なコーヒーの飲み方を考案し、台湾コーヒーのさらなる可能性を模索しています。

森高砂咖啡館は「品質改善こそが、台湾コーヒーを成長させる唯一の道」と信じ、およそ10年間に渡る努力を続てきました。その結果、コーヒー国際市場における「スペシャリティコーヒー」のトレンドも相まって、台湾のコーヒー産業を盛り上げることに成功。さらに独自のフレーバーを開発することで大きく発展しました。

また、フェアトレードやサステナブルの推進にも注力していて、コーヒー農家に対してビンロウジの木の下にコーヒーを植える手法を推奨しています。ビンロウジの木は根が浅く、丘などの斜面では浸食の被害が問題となっていました。しかし、コーヒーの根は密度が高く、周囲に広がるため、土をしっかりと掴みますし、保水もしてくれます。さらに、ビンロウジはコーヒーに必要な日陰を作ってくれるので、二つの植物がお互いに助け合いながら共存が可能です。このように台湾のコーヒーは環境維持の新たな可能性を模索しながら、発展を続けているのです。

台北で台湾コーヒーを味わう
「台湾の中でコーヒーを味わうなら台北が一番です」と董氏は言います。無数のカフェがひしめく台北では、多くの人が様々な味のコーヒーに慣れ親しんでいますし、多くのコーヒーショップでも国産のコーヒー豆を仕入れています。ただ、台湾産コーヒーは生産量がまだまだ少なく、価格もやや高めです。森高砂咖啡館では焙煎方法が異なるコーヒー豆や産地の異なるコーヒー豆を提供し、さらなる認知と販路の拡大を図っています。さらに手動式グラインダー、サイフォン、エスプレッソマシーンといった異なる抽出機器を使用することで、台湾コーヒーの可能性を広げ、愛好家たちに元により親しんでもらえるよう努めています。

6_LIN8697 (Copy)▲森高砂では各台湾産コーヒー豆の特性や風味に最も合う方法でドリップしています。

「台湾コーヒーを取り扱っていないカフェでも、お客さんがそれを求めている場合には、提供しているカフェをちゃんとお勧めしてくれます」と董氏は言います。台湾コーヒーのみを取り扱っている森高砂咖啡館は、もちろん真っ先にそのオススメの選択肢に上がるそうです。

森高砂咖啡館は台北市内に3店舗あり、様々な角度から台湾コーヒーの販売を促進しています。中でも最も歴史のある大稲埕の支店は、当ブランドのハンドドリップコーヒーが生まれた場所でもあります。オリジナルカクテルを作るかのような繊細な手順で作られるハンドドリップコーヒーは、台湾コーヒー独自の味がしっかりと引き出されています。

華山1914文化創意産業園区内の古い赤レンガの建物には「コーヒー‧ラボ」があり、浸漬式の淹れ方を教えています。ここで淹れ方を学べば、国産のコーヒー豆を買うだけで、自宅でもその独自の香りを楽しむことができるのです。

中山北路の旗艦店ではイタリアンスタイルのコーヒーと各種スペシャリティコーヒー、、ハンドドリップや酒蒸しなど様々な淹れ方のコーヒー、季節ごとの新鮮なメニューやデザートに合わせたダークでリッチな風味のコーヒーを提供しています。森高砂咖啡館では、台湾の国産コーヒーを多様な角度から紹介することで、その無限の可能性を感じていただこうと日々研鑽を続けています。

10._LIN8844 (Copy)▲森高砂の食事メニューは全てコーヒーに合うよう考えられています。


森高砂咖啡館で台湾コーヒーを味わう

ハンドドリップコーヒー
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森高砂咖啡館のハンドドリップコーヒーは、コーヒーの試飲会をするような雰囲気があります。冷やしたコーヒーにテイスティング用のチューブ、コーヒーポットを使うことで、温度によって変化するコーヒーの香りが楽しめます。まずアイスコーヒーを一口飲み、コーヒー元来の香りを味わいましょう。次に温かいコーヒーをカップにゆっくり注ぎ、温度の違いが生み出す味や香りの変化をたっぷりと楽しみます。

イタリアンスタイルコーヒー
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台湾各地から集めた最高品種の豆をエスプレッソ豆とブレンドすることで、台湾コーヒーの甘い後味を引き立てます。ラテを注文する場合は、国産コーヒー豆の濃く甘い香りが楽しめるよう、エスプレッソ用のカップで提供しています。その他にもフレーバーコーヒーの開発も行っているので、バラやキンモクセイの香りを加えた、ひと味違うコーヒーが楽しめます。

酒蒸しコーヒー
9. Wine-Steamed Coffee (Copy)
酒蒸しコーヒーは森高砂咖啡館のオリジナル商品です。コーヒー豆をウイスキー、米酒、小米酒(台湾原住民の伝統のお酒)、紹興酒、ウォッカで蒸し、豆の中にアルコールを浸透させることで、お酒の香りをつけます。その後、高温で煎ってアルコール分は飛ばせば、お酒の香りだけが残ったノンアルコールのコーヒーが完成します。


森高砂大稲埕
住所            大同区延平北路二段1号
営業時間     12:00~20:00

森高砂華山実験室
住所            中正区八德路一段1号
営業時間     11:00~17:00

森高砂中山旗艦店
住所           中山区中山北路一段133号
営業時間    11:00~20:00


 

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