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気軽に足を運べるスポット6 選 冬のラクウショウ鑑賞 (TAIPEI Quarterly 2022 冬季号 Vol.30)

アンカーポイント

発表日:2022-12-29

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TAIPEI #30 (2022 冬季号)


気軽に足を運べるスポット6 選
冬のラクウショウ鑑賞


文:Rick Charette 編集:下山敬之   写真:Yuskay Huang、台北市政府工務局大地工程処、公園路灯工程管理処、台北大衆捷運股份有限公司

台湾ではこの10 年ほどの間に、ラクウショウという植物に注目が集まるようになりました。背が高く、細い幹が特徴のこの植物は、11 月から12 月下旬にかけて、あずき色、山吹色、暗めのオレンジ色と色彩が変化します。天気や気候によっては3 月ころまで色彩の変化が楽しめることも。今回は、公共交通機関を使って気軽にアクセスできるラクウショウの鑑賞スポットを紹介していきます。

台北では観光地に生き生きとした彩りを添え、かつ大量に栽培できる植物を探していました。そこで行き着いたのが次々と色を変えるラクウショウです。アメリカ東南部に生殖している植物で、和名を沼杉と言います。ラクウショウは低地で、高温多湿という環境下でも生育が可能であることから、台北では公園や道路沿い、観光地の鉄道沿線、川辺、歩道橋など、様々な場所に植えられ、各地を美しく飾りたてています。

麗山公園
🚍アクセス  MRT昆陽駅からS12のバスへ乗り換え
照片1_落羽松正逐步換上新裝 (Copy)▲柔らかな緑色から山吹色に変化していくラクウショウは、ロマンティックな雰囲気を持った植物です。(写真/台北市政府工務局大地工程処 )

中央研究院の南西に位置する麗山公園は、比較的人口の少ない南港山エリアにあります。「麗山農民広場」とも呼ばれる深い森に覆われたこの小さな公園には、道路沿いの広場や、川沿いの歩道に数多くのラクウショウが生息しています。一番の撮影スポットは、石畳の広場にある和風のあずまや。他にも川の中に上下に並んでいるハート型の飛石や、アーチ橋などでも美しい景色が堪能できます。

冷水坑歩道
🚍アクセス  MRT剣潭駅からS15のバスへ乗り換え
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▲陽明山冷水坑歩道は、インスタ映えする美しいラクウショウの木々によって人気のスポットとなりました。(写真/Yuskay Huang )

ラクウショウは低山地でも生育ができることから、陽明山国立公園にある冷水坑歩道にも植えられています。「冷水坑」とは「冷たい水の溜まる場所」という意味で、付近には天然温泉、無料の公衆浴場、滝、ハイキングコース、ビジターセンターなどが揃っています。「冷水」という名前が付けられたのは、ここの水温が約40℃ほどであり、陽明山にある他の温泉と比べると一番温度が低いためです。

ビジターセンターのすぐ隣にもラクウショウがあり、冷水坑歩道の入り口に沿って並んでいます。冷水坑は陽明山の最高峰となる七星山の麓に位置していて、寒い季節になると写真愛好家が殺到する撮影スポットです。山の斜面に生えているススキをバックに、色鮮やかなラクウショウや朝霜に縁どられたラクウショウを撮影しましょう。

大湖公園
🚍アクセス  MRT大湖公園駅
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▲大湖公園は季節によって異なった表情を持っていて、冬になると鮮やかなラクウショウが見えます。( 写真/Yuskay Huang )

美しく造園されたこの大きな公園は、内湖区を代表するスポットの一つ。人口密度の高いこのエリアは、台北市の北東にある山の麓に沿って広がっていて、大湖公園は山の脊に形成された盆地の一番奥の場所に位置します。また、公園の敷地外には、いくつかの人気ハイキングコースの入り口があります。

「大湖」は「大きな湖」という意味で、敷地の面積は13 ヘクタールにも及びます。内湖区は「内陸部にある湖」という意味であることからも、大湖公園は非常に重要な役割を持っている場所です。ラクウショウは水辺や芝生の周辺に並んでいて、湖には「錦帯橋」というアーチ橋、ジグザグに折れ曲がった形が特徴の九曲橋がかかっています。これらの橋は、いずれも古代中国の建築をイメージして造られたもので絶好の撮影スポットです。九曲橋の突き当りにある朱色の柱と山吹色の屋根で飾られたあずまや、その周囲に生息する白サギなどの鳥たちが、美しい水面に彩りを添えています。

DSCF0158 (1) 2-2 (Copy)▲大湖公園は季節によって異なった表情を持っていて、冬になると鮮やかなラクウショウが見えます。( 写真/Yuskay Huang )

大湖公園は、週末になるとピクニックや釣り、運動、景色の鑑賞を目的とした人たちで賑わいます。秋から冬の間は特に芝生エリア、遊具の近く、錦帯橋の手前にあるラクウショウを目当てとして訪れる人たちが多いです。

原住民文化主題公園
🚍アクセス  MRT士林駅から255のシャトルバス、あるいは815、S18、S19のバスに乗り換え
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▲故宮博物院に隣接する原住民文化主題公園には、冬の風物詩であるラクウショウを目当てに多くのお客さんが訪れます。

士林区にあるこの公園内には、順益台湾原住民博物館があり、その隣には有名な国立故宮博物院があります。狭い渓谷に位置するこの場所の裏側には高くそびえ立つ陽明山の山地が。

周囲を草木で覆われた原住民文化主題公園は、砂時計のような細長い形をしています。舗装された小道の途中には芸術作品が並び、案内板を見ることで台湾の先住民文化がより深く理解できるようになっています。例えば、伝統的なかぶり物に入れ墨を施した大きな戦士の彫像、ある部族へ貢がれた鹿の枝角、各部族の伝統的な衣装を身にまとった石像などがあるので、ぜひじっくり鑑賞してみてください。

IMG_8960-Edited (Copy)▲故宮博物院に隣接する原住民文化主題公園には、冬の風物詩であるラクウショウを目当てに多くのお客さんが訪れます。

ラクウショウが植えられている場所は大きく分けて2つ。1つは通りに沿って若木が植えられていて、建物の裏側にある湖の周辺には古木が密集しています。背の高い小木は、湖畔に互い違いに植えられていて、隣にある木製のあずまやと丁度いいバランスを保っています。湖面に映ったラクウショウとあずまや、背景にある山麓が織りなした美しい景色を写真に収めましょう。特に鮮やかに染まったラクウショウの葉が湖面に落ち、さざ波を立てた瞬間が最高のシャッターチャンスです。

貴子坑水土保持教学園区
🚍アクセス  MRT新北投駅付近にある中和街のバス停から216、218、602のいずれかに乗車。バスから下りた あとは緩やかな上り坂を徒歩で15分
DSCF2886-1-Edited (Copy)▲貴子坑水土保持教育園区の中には、ラクウショウに囲まれた情人湖があり、四季それぞれの異なった雰囲気が楽しめます。( 写真/ Yuskay Huang )

緑に覆われたこの小さな公園は、陽明山山麓の浅い谷間に位置しています。北投区にあるこの谷は、長い間砂岩や土が採掘されていたため草木が生えていません。そのため、土砂崩れが起きやすく、低地部分は洪水被害に見舞われることもしばしばありました。1980 年以降は、水と土壌保全のロールモデルとして植物を植えたり、斜面防止工事を施す取り組みがスタート。現在は定期的に屋外教室を開催しているほか、英語訳の着いた案内看板があったり、デモ設備の見学も可能となっています。

公園の真ん中には、青サギや白サギ、カメ、水生生物が数多く生息している情人湖があり、ラクウショウの大部分もここに集まっています。背の高いラクウショウとほかの樹木が混じり合うことで美しい風景画のような景観を作り出しているので、鑑賞するなら湖の周辺がおすすめです。公園の北側ではさらに背が高く、幹の太いイトスギも鑑賞できますし、湖の向こう側にある深い谷や、岩肌が露出した断崖も一望できます。台北で最も古い地層と言われているこの崖は、桟道を通って間近で観察もできるので、台北の歴史に触れたい方はぜひ足を運んでみましょう。

復興崗落羽松歩道
🚍アクセス  MRT復興崗駅
03-復興崗站1號出口落羽松步道-Edited (Copy)▲秘密の小道といった雰囲気のある復興崗落羽松歩道では、ラクウショウの葉が黄金色に変化すると冬の到来です。(写真/台北捷運 )


都会にあるこの歩道は全長約数百メートルと短く、レンタサイクルのYouBikeを使えば簡単にアクセスが可能です。YouBikeの駐輪場は復興崗駅の1番出口を出て右側にあります。

復興崗落羽松歩道はMRTの路線に沿った小さな小道で、片側には北投車両工場、反対側には古い低層住宅地が続いています。道は自転車が走りやすい板張りのものと、コンクリートブロックなどで舗装されたものの2種類。一部の区間はラクウショウが並木道のように両側に並んでいたり、道幅の狭いところでは片側だけに植えられるなどの工夫がなされています。また、ラクウショウ以外の低木や花も植えられているので、多彩な風景が楽しめるでしょう。

S__24272900 (Copy)▲秘密の小道といった雰囲気のある復興崗落羽松歩道では、ラクウショウの葉が黄金色に変化すると冬の到来です。(写真/台北捷運 )

ブロックで舗装された歩道部分は、間に枕木が敷かれるなど鉄道の線路を模した作りになっているのも特徴の一つです。

夏にはセミの鳴き声が鳴り響くこの歩道は、夕暮れ時が一番鑑賞に適した時間帯。赤く染まった太陽の日差しが車両工場の建物にぶつかって長い影を落とし、ラクウショウは光を浴びて輝いているように見えます。

 

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