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個性派カフェに見る暮らしの美 (TAIPEI Quarterly 2016 秋季号 Vol.05)

アンカーポイント

発表日:2017-03-22

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デザインとファッションを味わう
個性派カフェに見る暮らしの美

_ 鍾文萍
写真 _ 楊智仁

多種多様な文化を取り込み、独特なスタイルのグルメが楽しめる台北。世界の多くの国際都市と同じように、素晴らしいカフェにはこれまでも事欠きませんでした。しかし、ここ数年の個人による起業ブームを受けて、台北市民だけでなく外国人観光客も足を運ぶ独特なカフェがさらに増えてきました。こうした台北独自のカフェを一度ものぞかない手はありません。

5 Senses Café 
オシャレな米インダストリアルスタイル

「5 Senses Café 五感咖啡館」は台湾大学と台湾科技大学のキャンパス近くにあり、その天井の高い空間は、わざと残したむき出しの水道管や電線、打放しのコンクリート壁、原木で作った本棚やテーブル、椅子など、インダストリアルスタイル(工業系)ならではの室内設計となっています。大きなガラスの掃き出し窓からは木漏れ日が差し込み、空間に温かみを与えつつ自然なスタイルを崩していません。このスタイリッシュでシンプルな空間が受け、台湾のテレビドラマ『イタズラな恋愛白書』、『最後はキミを好きになる!』の撮影に使用されたほか、付近の学生、公館地区の住民お気に入りの人気店でもあります。
TAIPEI 秋季号 2016 Vol.05 個性派カフェに見る暮らしの美
▲ 「 5 Senses Café五感咖啡館」はインダストリアルスタイルにファッション感を盛り込んだ室内設計で、ここでロケ撮影されたテレビドラマもたくさんあります。(写真/楊智仁)

大学特有の講堂スタイルを踏襲し、店内はまるでキャンパス内にある読書カフェのようです。軽食はサンドイッチがメーンで、全て全粒粉パンを使用しています。店長の鄭雅馨さんは「学生の健康のため、この点は譲れない」と話します。店の代表的メニューであるさっぱりとした口当たりの「マルゲリータサンドイッチ」はイタリア国旗の赤、白、緑を表す自家製ドライトマト、2 種類のチーズ、バジルを使用しています。「ハムとチーズのさくさくサンド」の中にはなんとあのピリ辛スナック菓子のドリトスがたっぷり入っています。一風変わったメニューにお客さんも「確かに若者の大好物だ!」と思わずニコリ。
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▲ 「 5 Senses Café五感咖啡館」の一風変わったスイーツは季節替わりでメニューを提供しています。(写真/楊智仁)

スイーツメニューで特に変わっているのが「今天不確定」(今日はどうしようかな)です。季節、料理長が当日仕入れた食材、料理長の気分で内容が決まります。ある時は体操演技の華麗なる大車輪のように重ねられたキャラメルアップルタルト、ある時は控えめな味の抹茶シフォンケーキ、またある時はシャーベットのように甘くて冷たいコーヒー風味のレアチーズケーキなど、どれも丁寧な作りで、さわやかな甘さのスイーツの数々はお客さんの期待を決して裏切りません。
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▲ 店舗情報
1 階には10 人が座れる「ロ」字型の大きなテーブルが2つあり、テーブル中央のくぼみにはコンセントが並べてあります。懇親会や学生の勉強机として大変人気のコーナーです。
www.facebook.com/5senses.cafe
基隆路3 段85 号
(02)2739-9556
平日12:00~21:00、土日祝10:30~22:30、夏休み・冬休み12:00~21:00

O’Bear Coffee 
温かなカントリースタイル

「O’Bear Coffee」は商業地の喧騒からかけ離れた住宅街の路地にあります。真夏の日中にも静まりきった寒い夜にも、この店のコーヒーとパンの香りにつられてやってくるお客さんが必ずいます。日本のテレビドラマ『パンとスープとネコ日和』を見た方ならお分かりと思いますが、厨房から漂うパンの香りをかいだ時の満足感と幸福感は言葉では表せず、その誘惑に勝つのはとても難しいものです。
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▲ 大きな掃き出し窓からは木漏れ日が差し込み、空間に温かみを与え自然な雰囲気を保っています。(写真/楊智仁)

店長の王叔俐さんは3 年前に忙しかった製品企画の仕事を退職しました。市街地では珍しい2 階建ての古い一戸建てを見つけ、自分で作れる大好きなスイーツ、パン、コーヒー、スパゲッティーを提供する自分好みの店を開きました。店は綿、麻、原木、石材など天然の素材を主に利用したオリジナルのレイアウトで、アットホームでくつろげるカントリースタイルとなっています。座席は静かでプライベートな雰囲気で過ごせる壁際か角に並べられていて、一人だけの時間を味わい心を落ち着かせるのにぴったりです。
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▲ 天然素材でレイアウトされた「O’BearCoffee」は、カントリースタイルのアットホームなお店です。(写真/楊智仁)TAIPEI 秋季号 2016 Vol.05 個性派カフェに見る暮らしの美
▲ 「 O’Bear Coffee」の手作りクッキーと一緒にコクのあるコーヒーを飲むと、まるで人生のような苦さと甘さが同時に味わえます。(写真/楊智仁)

食へのこだわりから調理済みパックや缶詰食品は使わず、パンは自分で焼きソースは自分で煮込んで作っています。料理の添え物に使う食材は定期的に昔ながらの市場「濱江市場」に買い出しに行っています。「O’Bear Coffee」の看板メニューであるパンセットでは、スモークサーモン、ベーコンエッグ、キノコ炒めの3種類からメインディッシュを選びます。これにパン種から発酵させ、手でこねて作ったパンが付いてきます。パンに渋みや臭みが全くない特選のエクストラバージンオリーブオイルを付けて食べると、まろやかな柔らかい味わいが口に広がります。コクのあるコーヒーと一緒に手作りのクッキー、シフォンケーキ、キッシュ、パイを食べると苦味の中に甘味を感じられ、酸いも甘いも含んだ人生のような深い体験が得られます。
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▲ 店舗情報
店内の小さなテーブルにはカモミール、ラベンダー、ローズマリーなど様々なハーブティーのティーバッグが入った木製ケースがあり、お客さんが自宅で試飲できるよう無料で提供しています。
www.facebook.com/OBearCofe
中正路213 巷19 号
(02)2888-1100
12:00 ~ 21:00、水曜定休

Leisure Kaffe 楽思咖啡 
北欧風のロハススタイル

「Leisure Kaffe 楽思咖啡」の店長、盧威廷さんは、フィンランド、アイスランドといった北欧諸国の広大な原野特有のゆったり、のんびりした雰囲気と、各コーヒーの違った味わいが好きでたまらず、思いきって両者を組み合わせようとこの北欧スタイルのカフェを開きました。室内設計からレイアウト、コーヒー豆の選定、焙煎、ドリップまで全て一人でこなしています。「Leisure Kaffe 楽思咖啡」の室内全体は明るいカラーでまとめられ、見晴らしがよく開放感のある室内空間を演出しています。店の壁や角には盧威廷さん自らフィンランドの極地で撮った絶景写真や旅行先から持ち帰ってきた妖精のぬいぐるみ、食器アイテムが並べてあります。「北欧に住めなくても、せめて毎日北欧の雰囲気の中で暮らしたい」というわけです。
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▲ 「 Leisure Kaffe楽思咖啡」の室内は広々として明るく、店長お薦めのテラス席では気持ち良い日光を浴びることができます。(写真/楊智仁)

自慢の手作りコーヒーにはつんとくる酸味、苦み、渋みがなく、深みと適度な甘酸っぱさを兼ね備えています。盧威廷さんによると、どのコーヒー豆を使うかはその日の気分次第で、気分が良いときは「衣索匹亞沃卡合作社三小農」(エチオピアの生産者組合「Worka Coop」に豆を供給する三人の農家)という銘柄がぴったりで、驚くようなコク深さとフルーツの甘さがあるとのことです。ストレスがたまっているときは「哥斯大黎加塔拉珠鑽石山莊園」(コスタリカのタラズ地区の「Montanas del Diamante Estate」産コーヒー)を飲むと、ストーンフルーツの甘い余韻が長く続き、冷めても雨が降った後の空気のようなすがすがしい口当たりを味わえます。
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▲ 北欧のエルフをモチーフにした手作りクッキーはサクサクでバターの香ばしさたっぷりです。(写真/楊智仁)

スイーツも北欧式ですが、台北市民のここ数年の健康志向に合わせ、甘さは北欧現地のものに比べ半分以下に抑えています。フィンランドの白豆蔲(ビャクズク)プリンは天然のビャクズク粉にゼラチンを加えて焼き上げており、コケモモジャムを付けて食べるとプルプルと柔らかくて甘い味わいが口に広がります。北欧の小妖精「エルフ」をモチーフにした手作りのクッキーはサクサクでバターの香ばしさがたっぷりです。ワインの香りを帯びた「ほろ酔い」水出しコーヒーとの組み合わせは抜群です。
TAIPEI 秋季号 2016 Vol.05 個性派カフェに見る暮らしの美
▲ 店舗情報
テラス席は木の温かみに包まれており、ここでコーヒー、スイーツを口にするとまるで北欧から差し込んできたかのような温もりの太陽の光を浴びることができます。
www.facebook.com/2LetsCafe
忠孝東路5 段71 巷12 弄7 号
(02)2767-3718
8:30 ~ 21:00
 

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