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TAIPEI 2015秋季号 Vol.01—老舗の名店・スペースの再利用・人気の廟 迪化老街をぶらり

アンカーポイント

発表日:2016-06-14

更新日:2016-09-23

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1.【 楊智仁 】4-3.台北藍色公路--大稻埕.jpg
▲大稲埕埠頭のジャンク船(写真/ 楊智仁)
 
大稲埕といえば、まずは迪化老街(古い街並み)の南にある台北霞海城隍廟です。地元の人たちの信仰の中心地であるだけでなく、観光客がたくさん訪れる観光スポットでもあります。城隍廟の神々が地元住民の無事息災を守り、さらに海外の人たちの縁結びにも一役買っています。
 
台北霞海城隍廟には霞海城隍老爺(守護神)や謝范二將軍(地獄の神で別名七爺、八爺)、城隍夫人(夫婦、家庭円満の神)、月下老人(縁結びの神)、註生娘娘(安産、子育ての神)など多くの神様が祀られています。これらの神様はそれぞれ個性的で人々の心に深く根付いているので、地元の雑貨屋やレストランなどでは、神様をモチーフにした魅力的な商品が並びます。
 
時間があれば、城隍爺参拝だけでなく、迪化老街を北から南へ歩くのも楽しいもの。個性的なお店を巡れば、新しさと古さが混在する大稲埕の美しさを感じられます。
 
10:00-11:30
稲舎 URS329
「URS329 稲舍RICE & SHINE」は迪化老街にある最新のURS(UrbanRegeneration Station :都市再生前進基地)です。もともとは精米工場で、屋根裏は米倉だったことから、さまざまなお米関連グッズが並び、奥ではお米料理を堪能することができます。
 
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▲大稲埕の通りの屋敷は歴史的、ここで昔に思いをはせてみては?(写真/ 潘俊霖)
 
2 階には台湾の著名な膠彩画家の郭雪湖の特別展示室があります。木製の手すりに沿って上がると、真っ先に郭さんの作品「南街殷賑」が目に入ります(真筆は台北市立美術館に収蔵)。この作品は、1920 年代の大稲埕の繁栄期を象徴する名画で、城隍廟の前を庶民が忙しく往来する様子や、林立する色とりどりの看板が描かれています。また、日本人が帰国前に立ち寄るみやげもの屋や漢方薬の店、英語で「Sony」と書かれた洋品店も見え、当時の大稲埕のにぎやかな様子が伺えます。
 
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▲稲舎URS329 の「南街殷賑」は大稲埕の輝かしい歴史を象徴する作品。(写真/ 楊智仁)
 
隣の部屋の壁には、七爺八爺のかわいらしい絵が貼ってあります。チビの八爺がノッポの七爺に向かって「ちょっと背を低くしろよ」と言い、七爺は「そっちこそ高くなれよ!俺たちが合体したらどうなるんだろうな…」というセリフもユーモアたっぷりです。また、窓際の講座スペースでは、シルクスクリーンの体験イベントも不定期で実施。春聯(新年に門や入口に貼るめでたい対句を描いた赤い紙)や帆布バッグの上にプリントしてみても楽しいですね。
 
11:30-12:00
江記華隆と李亭香餅店
URS329 の隣には、広く名の知られた食品店の「江記華隆」と「李亭香餅店」があります。毎年旧正月前になると、江記華隆には買い物客で長蛇の列ができます。アーモンド入りの薄切りポークジャーキー「杏仁薄片肉紙」などジャーキー類は、旧正月の迪化老街でのおみやげの定番。店構えは地味で目立ちませんが、前を通ると肉のいい匂いがして、思わず引き寄せられます。その店こそ老舗「江記華隆」、ぜひのぞいてみてください。
 
4.【 楊智仁 】2-5.台北市大稻埕--迪化街..jpg
▲江記華隆のパリパリのジャーキー「薄片肉紙」(写真/ 楊智仁)
 
また、清朝光緒21 年創業の李亭香では「台湾マカロン」と称されるスイーツ「経典小泡芙」が評判。パッケージもかわいらしく、食べてしまうのがもったいないくらいです。そのほかにも、城隍廟の月下老人や城隍夫人、註生娘娘といった良縁の神様をモチーフにした手作りの月餅もあります。これらのお菓子をお供えすれば、言わなくても神様は願い事をわかってくれるでしょう。
 
5.【 楊智仁 】2-3.台北市大稻埕--迪化街..jpg
▲李亭香のかわいい經典小泡芙(写真/ 楊智仁)
 
12:15-12:45
慈聖宮
慈聖宮は法主宮、霞海城隍廟と並んで大稲埕の三大廟と称されます。霞海城隍廟同様、慈聖宮は「頂下郊拼」という地域抗争の末、艋舺(現在の萬華)から大稲埕へ移されました。1866 年(同治5 年)は現在の迪化街と民生西路の交差点にあり、廟の正面は大稲埕の埠頭で、商船の安全を守る意味があったことがみてとれます。その後、日本統治時代の市区改正で現在地(保安街49巷)に移築されました。廟に使われている石柱には、「同治年間立」と記されています。また、慈聖宮の前では地元でおなじみの「肉粥」や、ゆでたスルメイカ「燙魷魚」など、人々が子供のころからずっと通っている屋台が連なり、台北の地元の伝統食が見られます。
 
13:00-14:30
伝統の木桶、竹製品の老舗専門店
迪化老街の中北街を散策していると、各地からの雑貨があふれているという迪化街のイメージとは違い、木桶や竹製品などの店が並んでいることに気づきます。狭い店内では竹かごのみならず、嫁入り道具の米櫃や赤色の八卦太極図、結婚式で飾られる龍と鳳の絵などおめでたいものも売られています。
 
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▲竹工芸の日用品の専門店(写真/ 楊智仁)
 
もちろん木製の弁当箱、竹編みの箱など日用品もたくさん並んでおり、その品質は高級店にも負けていません。暑い夏に最適な竹編みのうちわで涼みながら古い街並みを歩けば、涼しさと地元らしさとともに旅の気分も盛り上がります。
 
14:45-15:00
大稲埕埠頭
この大稲埕埠頭に停泊している船「紅頭仔」(戎克船または唐山船とも)は、その昔、茶葉や布などを輸送するための貨物船で、深く沈まず、浅瀬も運航できたので、大稲埕や萬華へも入航していました。そのため、対外貿易に欠かせない交通手段として重要な役割を果たしました。霞海城隍爺もこの船に乗って台湾までやってきたそう。埠頭に置かれている模型は小さいですが、実際の船はその6 倍の大きさで、当時の繁栄が伺えます。
 
15:30-16:30
民芸埕、福来許
「民芸埕」は独創的な雑貨がいっぱい、ゆっくり見て回りたいお店です。白くてまんまるの小籠包のような調味料入れなど、かわいいものばかり。また、煮卵の形をした茶壷にも心惹かれます。今回は買って帰ることができなくても、思い出に写真をとってもいいですね。
 
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▲小籠包型の調味料入れ(写真/ 楊智仁)
 
歩き疲れたら「民芸埕」の斜め前の「福来許」でひと休みしましょう。古い建築物が放つレトロで知的な雰囲気の中で、地元の食材を使った創作料理を味わうことができます。「月老磅蛋糕」は、月下老人にお供えする4 品――ナツメやクコの実、リュウガン、黒糖を使ったお菓子。決して高級グルメではありませんが、絶妙な味のバランスとなめらかな口当たりで、格別なおいしさです。
 
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▲煮卵の形をした茶壷(写真/ 楊智仁)
 
16:30-17:00
台北霞海城隍廟
台北霞海城隍廟に祀られている城隍爺は、1821 年福建省霞城から海を渡って台湾にやってきました。当時は別の場所に祀られていましたが、萬華での地域抗争後、大稲埕に移ってきました。霞海城隍廟には1994 年以前は、600 もの神様が祀られていましたが、現在では約200 体ほどです。かつての多くの神様がひしめき合う様子は圧巻でした。

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▲台北の霞海城隍廟は大稲埕の代表的スポット。(写真/ 楊智仁)
 
城隍廟には、絶大な縁結びのパワーを持つといわれる月下老人が祀られています。廟の話によると、かつてある女性が霞海城隍に縁結びをお願いして成就したことに感謝し、月下老人を廟に寄付したのだそうです。城隍爺は縁結びでも大活躍です。
 
17:00-18:00
永楽布業市場、大稲戯苑
永楽市場には、多くのファッションデザイナーや舞台関係の人たちが夢を形作るためにやってきます。ニットや紬、レース、プリント生地などさまざまな布が揃い、品質も良く、あれこれと目移りしてしまいます。そして永楽市場を訪れたら、8、9 階にある「大稲埕戯苑」にもぜひ立ち寄ってみてください。ここは、伝統芸能の上演、推進、保存を目的とし、9 階の劇場でさまざまな伝統芸能が上演され、8 階の展示スペースでは布袋戯常設展や、不定期で特設展が行われています。
 
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▲「大稲埕戯苑」で伝統の戯曲文化を体験。(写真/ 楊智仁)
 
大稲埕は100 年のめまぐるしい歴史がそのまま保存され、新しいものとうまく融合し、魅力的で神秘的な息遣いが感じられる街です。何度訪れても飽きることのない大稲埕で、ぜひ新たな魅力を発見してください。
 
迪化老街へのアクセス
MRT4 号中和新蘆線のMRT 大橋頭駅下車、
1.番出口より徒歩3 分。 
文 金康嵐  写真 楊智仁
 

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