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TAIPEI 2016春季号 Vol.03—忠孝橋への接続ランプ撤去 いにしえの輝き取り戻した北門

アンカーポイント

発表日:2016-06-15

更新日:2016-09-23

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文 _ 羅素
写真 _ 台北市工務局新建工程処·施銘成提供

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2016 年2 月11 日̶̶132 年という歴史ある台北城(台北の城郭)の北門(正式名称は承恩門)が、台北市と新北市三重区を結ぶ忠孝橋へのランプ(接続道路)に遮られて39 年、ついにいにしえの輝きを取り戻しました。台北市は同月7日0 時からランプの撤去工事に着手、予定されていた工期は8 日間でしたが、公的機関と請負事業者がともに努力した結果、素晴らしい効率を上げ予定より2 日間早い11 日に工事が完了しました。

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▲付近には史跡が多く、交通の要衝でもあるため、撤去作業は困難を極めました。(写真/施銘成)
不死身「金鐘罩」でガード
北門の姿が再び
工務局の彭振声局長はランプ撤去工事について、市の「西区門戸計画(市西部の再開発と活性化計画)」推進で最も大切な一歩であり、北門広場のかつての姿の再現は、歴史や文化を人々に喚起するだけでなく、台北市という国の玄関のイメージづくりにもなると強調します。近隣に史跡が多く交通の要衝でもある現地での作業は困難を極めることが見込まれたため、「人海・機械海」戦術でスピードアップを図ったと彭局長は説明、2,000 人近くが昼夜交代で交通の流れを止めないよう取り組んだかいあり、予定より早く作業が完了しました。
台湾鉄道の線路が地下に潜るまで、路面の踏切が地上交通のネックとなっていました。このため1978 年、忠孝橋に接続するランプが建設されましたが、結果的に北門を遮ることになってしまいました。市がランプ撤去を計画したのはこれまで4 回にも及びます。直近では2011 年に策定されましたが、実施時期は北門周辺の交通設備がより整う2016 年が理想的だと考えられました。一昨年には柯文哲市長が台北市長に就任し、「西区門戸計画」に合わせる形で、交通量が最も少ない春節(旧正月)時期に計画を実行に移すことが決定しました。

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▲工務局は「人海・機械海」戦術で作業のピッチを上げ、予定より早い完工が実現しました。(写真/施銘成)
請負業者は今年1 月6 日、橋の周辺に柵を設け、分離帯の植木を取り除くなど撤去の事前作業に取り掛かりました。ランプの全長は750 メートル、市はこれを6 区画に分けました。彭局長によれば、最難関は北門に接近している区画だったといいます。長さ35 メートルの橋面が北門とわずか60 センチメートルの距離まで接近しており、施工の間に石のかけらが北門を傷つけると懸念されたため、機械で切り分け、砕石が飛び散るような状況を避けるようにしました。北門の周りの地面には鋼板を敷き詰め、土の塊が落下した際の振動を抑えました。さらに、その姿から「金鐘罩(鐘のように不死身のバリア)」と呼ばれる鉄筋の覆いが全体に施されました。
このほか、北門付近の台北郵局(郵便局)や旧三井物産倉庫、鉄道部博物館(旧台湾総督府交通局鉄道部)といった史跡建築では、施工の間に亀裂が発生していないかどうかや傾斜などのデータを4時間ごとに見直す安全モニタリングを実施しました。幸いにして、工事期間に特に問題は起きませんでした。

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▲忠孝橋ランプ、ありがとう!春節連休にもかかわらず工事に全力を上げた作業関係者のみなさんごくろうさま!(写真/台北市工務局新建工程処提供)
西区門戸計画スタート
「国の玄関」イメージづくり
撤去工事の間には交通規制も行われました。忠孝西路の西行きはすべて封鎖、東行きは1 車線を残し、西寧北路から重慶南路区間は南北に接続する道がすべて封鎖されました。この区間を通る中長距離バスや路線バスは路線を変更するなどしましたが、春節連休に当たったため、全体的には特に大きな影響は及びませんでした。ただ、撤去後も11 月末までは路面整備を行うため、忠孝橋ではなく中興橋や台北橋を通行するよう市民に呼び掛けています。
忠孝橋ランプの撤去は「西区門戸計画」の第一歩。続いて路面や公共交通機関の路線調整を行い、北門広場の再現に努めます。また、MRT で予定される空港線の開通と同時に同線台北駅(A1)の開業が予定されています。このため台北駅周辺の広場をリニューアルし、「国の玄関」としてのイメージづくりに取り組みます。さらに、市西部の土地再利用や調整では文化面や産業面も考慮します。

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▲忠孝橋ランプの撤去は「西区門戸計画」の第一歩です。(写真/施銘成)
台北駅周辺には清朝から日本統治時代、中華民国まで台北城の豊かな歴史遺産が存在します。忠孝橋ランプの引退、撤去で北門が輝きを取り戻すことは、首都として「国の玄関」のイメージづくりだけでなく、内外の観光客の注目を集めることにもつながります。ひいては台北城に刻まれた歴史に豊かさを添え、素晴らしい台北市づくりに向けた第一歩ともなるのです。
 

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