TOP メインコンテンツセクションに行く

台北観光サイト

TAIPEI 2015秋季号 Vol.01—おしゃれな休日の過ごし方 おいしいコーヒーを淹れてみる

アンカーポイント

発表日:2016-06-14

更新日:2016-09-23

1495

1. 楊志雄_簡嘉誠-虹吸咖啡煮法(賽風)-572.jpg
▲サイフォン式は、泡や温度の変化をじっくり観察しなければならない。
 
2. 楊志雄_簡嘉誠-虹吸咖啡煮法(賽風)-529.jpg
▲サイフォンコーヒーは熱々が楽しめる。
 
3. 楊志雄_醜小鴨-手沖義式咖啡-斷續水流法-黃琳智-304.jpg
▲ドリップ式では、お湯を一直線に注ぐ。
 
楊志雄_醜小鴨-手沖-第一次注水-043.jpg

 
アメリカ大手紙『USA トゥデイ』が2012 年に選んだ「コーヒーのおいしい世界10 大都市」に、台北市はアジアで唯一ランクインしました。台北ではカフェだけでなく、コンビニや朝食の店、スーパー、パン屋などでも淹れたてを買うことができます。台北の人たちにとってコーヒーは定番の飲み物、おいしい淹れ方をめぐり、コーヒー好きの会話も盛り上がります。
 
コーヒーの抽出方法はいくつかありますが、台湾では以下の3つがポピュラーです。1つ目はフィルター式、つまりドリップコーヒーのことで、コーヒーの粉に熱湯を吸わせ、濾紙を通して下に落とす方法です。簡単でスピーディー、しかも割安で便利です。2 つ目は浸漬式で、コーヒーの粉を熱湯に浸け込み、濾布か金属の濾器で濾す方法で、サイフォンコーヒーはこれにあたります。3 つ目は加圧式で、高温高圧でエスプレッソなど深いコクのあるコーヒーを抽出します。その中でもドリップとサイフォンは手早く淹れられ、器具も揃えやすいなどの理由から、台湾では特に人気があります。
 
ドリップコーヒー淹れる人の個性が香る
近年、台湾でもすっかりおなじみになったドリップコーヒーは、濾紙とドリッパー、ポット、温度計を準備するだけでいいので、初心者に人気です。台湾で著名なバリスタトレーナーで、バリスタトレーニングセンター「醜小鴨咖啡師訓練中心」責任者の黄琳智さんによると、ドリッパーは保温性があって、香りも立ちやすいそうです。人気のものでいうと、KONO は甘味、HARIOは香り、三洋産業は飲み口の良さと香りが特徴のコーヒーを抽出できるといいます。
 
4. 楊志雄_醜小鴨-手沖用具-手沖杯(下方中央為三洋濾杯)-016.jpg
▲ドリッパーが違えば、コーヒーの味も変わる。

5. 楊志雄_簡嘉誠-手沖咖啡-520.jpg
▲ドリップ式は器具も揃えやすく、初心者に人気。
  
ドリップ式は、まず濾紙をドリッパーに置き、コーヒーの粉を入れた後、ドリッパーをポットに乗せれば準備完了です。まず、中心から「の」の字を書くように、内から外に向かってお湯を注ぎます。黄さんによると、お湯が一直線になるように注げば、飛び散らずうまく注げるそうです。ドリッパーの中心部分のコーヒーの粉が最も深くなっているので中心を起点に、だいたい20 ~ 30 秒ほど注水します。その際、お湯がドリッパーから溢れ出ないよう気を付け、表面が乾く前に再び注水してください。この時もお湯を一直線に入れます。粉の表面に泡ができ始めたら、抽出が始まっている証拠です。ポットやドリッパーなど使う器具や淹れ方が違えば、出来上がりの味は変わってくるもの。何度も繰り返し試して味と香りを確かめ、自分だけの味を見つけることが上達のカギになります。
 
サイフォンコーヒーコーヒーを極める楽しみ
ドリップと比べサイフォンコーヒーは、手間もコストもかかりますが、コーヒーをゆったりと味わいたい人たちにとって、やはりとても魅力的です。
 
台湾代表として、ワールド・バリスタ・チャンピオンシップに何度も参加してきた簡嘉程さんは、「サイフォンは繊細な味わいが特徴です。高温のコーヒーが淹れられるので、熱々を楽しみたい方に向いています。また、コツをつかむために、泡や温度を観察する必要があり、コーヒーを極めたい人は特に楽しめると思います。」と言います。サイフォンの器具は上下の二つの部分に分かれており、間は導管でつながっています。水が沸騰すると、水蒸気の圧力で管を通ってコーヒーの粉の中に上がります。その後、濾紙または濾過布で濾され、コーヒーが下に落ちれば完成です。特に注意したいのは、お湯が上がってきた時に泡の層、粉の層、液体の層に分かれるので、その際ゆっくりと、優しくかき混ぜること。回数は各自の経験で判断してください。
 
サイフォンは高温で浸漬するので、温度は90 度を超えます。簡さんは、コーヒーを淹れる際に注意する点を挙げてくれました。まず、水が沸騰している時ブクブクとあふれることがあるので注意すること。フラスコの底に水滴がついていると割れることがあるので、きれいにふき取っておくこと。アルコールランプかハロゲンランプのどちらを使うにせよ、やけどしないよう熱源に触れないことです。とにかく安全第一です。
 
エスプレッソやサイフォンなどさまざまなバリスタ大会に出場してきた簡さんは、オーナーを務めるカフェ「COFFEE 88」でコーヒーの淹れ方や味わい方などのセミナーを開くこともあります。おいしいコーヒーを淹れるには、とにかく何度も繰り返し練習し、そこからコツをつかむしかないと言います。初心者は秤やタイマー、温度計で測りながら、分量や時間などを把握する方法がおすすめだそうです。毎回データをメモしておけば、味にばらつきが出にくくなります。
 
コーヒーを味わう4 つの方法
コーヒーの淹れ方をマスターしたら、次は味わい方が大切になります。台湾のバリスタ大会に出場経験があり、「醜小鴨咖啡師訓練中心」の講師でもある張書華さんは、まずはお茶同様、香りを楽しむことを挙げています。コーヒーの持つ花の香り、木の香り、実の香りです。次に味です。酸味、甘み、苦みの絶妙なバランスを楽しんでください。そして、コーヒーの舌触り。最後は、鼻から抜ける香りです。ひとつひとつ順番に、余すところなくコーヒーの奥深さを味わっていきましょう。
 
器具や新鮮な豆選びも大切ですが、自宅での豆の保存にも注意が必要です。張さんによれば、高温多湿な台湾では、開封後、豆を冷蔵庫に入れてはいけないそう。冷蔵庫から出して袋を開ける際、豆が酸素に触れると香りが飛んでしまい、鮮度も落るからです。密封性の高い袋や缶に入れ、日光の当たらない場所に置くのが一番だと言います。
 
コーヒーの達人たちの話を聞いて、家でコーヒーを淹れてみたくなったのでは?さあ、さっそく器具と豆を準備し、好みの淹れ方でバリスタ気分を味わってみましょう!
 
コーヒーまめ知識──新鮮な豆の選び方
ポイント1 目と鼻で鮮度を見極めるまずコーヒー豆の表面に余分な油が出ていないかを観察します。深煎り豆は色が濃く、表面が油で光っていて、香ばしいものを選びます。おいしく飲める目安はだいたい1 ヶ月。それ以上経つと油臭くなり、鮮度が落ちます。一方、浅煎り豆の場合、表面に油はほとんど出ません。新鮮なコーヒー豆はカラっとしています。もし柔らかかったり、湿っているようなら、時間が経ち劣化しています。
 
ポイント2 パッケージから鮮度を見極めるコーヒー豆は酸素が苦手です。多くの店では、ガス抜きバルブ付のコーヒー袋で包装し、豆から発生する大量の二酸化炭素を外部に放出して、酸素の侵入を防いでいます。できるだけ豆が空気に触れないようにして、豆の鮮度を長く保つのです。
 
ポイント3 焙煎できる店で購入する購入する際、店員に焙煎日を尋ね、袋の表示と一致していれば、その店の豆の品質管理の状況が確認できます。比較的新鮮な豆を手に入れられるので、焙煎専門店で購入してもいいでしょう。また、豆は挽いた直後から急速に香りが飛び風味が損なわれるので、一度にたくさん買いすぎないように。
 
コーヒーまめ知識──生豆精製法

6. 楊志雄_醜小鴨-烘焙深淺不同-張書華-207.jpg
▲豆の色から焙煎具合がわかる。
 
コーヒー豆を購入する際、「水洗式」や「乾燥式」、「ハニープロセス」といった用語を見聞きすることがあるかもしれません。これは生豆の精製方法のことです。「水洗式」は最もポピュラーな方法で、何度も篩い分けることで豆が均質化しています。精製後の豆は見た目もよくて雑味が少なく、すっきりした味わいで、酸味も楽しめます。「乾燥式」は昔ながらの精製方法で、甘さとコクのある、酸味控えめ
の豆になります。「水洗式」と比べると、品質にばらつきがみられます。一方、「ハニープロセス」は、果肉を剥いだ時に残る粘々した果肉を残したまま、日光で乾燥させる方法です。熟したコーヒーの甘味が残り、あっさりとした黒糖のような風味とナッツの香りが感じられ、ここ数年注目されている精製法です。
 
COFFEE 88 現烘咖啡専売店
木柵路1 段88 号
(02)2236-6518
 
 
醜小鴨咖啡師訓練中心
合江街73 巷8 号1 F
(02)2506-0239
 
 
文 李寛心  写真 楊志雄
 

関連写真

Top