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TAIPEI 2015秋季号 Vol.01—変電ボックスや橋脚にペイント 地元の文化を取り入れた新たなアート

アンカーポイント

発表日:2016-06-14

更新日:2016-09-23

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▲アーティストが変電ボックスに彩りを与える。(写真/ 呉思儒)
 
台北にはあちこちにデザインされたものがあります。「ワールド・キャピタル・デザイン(WDC)台北2016」の開催に合わせ、台北市では景観美化を推進、街頭の変電ボックスや看板、橋脚に文化的・芸術的要素を加えることで、ただの鉄製の箱や灰色のコンクリートといった外観からの脱却を図っています。大龍峒付近には色鮮やかな獅子が描かれた変電ボックス、新生高架にはかわいい動物がペイントされた橋脚が登場。さまざまな創意工夫で街が彩られ、台北はより一層カラフルで華やいだ都市になります。
 
台北市では、2014 年に変電ボックスや橋脚の美化計画を開始しました。これはアートなペイントを施し冷たい印象をなくすため。変電ボックスのペイントは大龍峒エリアから始まりました。台北で最も早く開発され、地元の伝統文化も残っている大龍峒で、アーティスト5 名が、12 ヶ所計28 個の変電ボックスにペイントしました。地元の信仰の中心地である保安宮の前では、変電ボックスに描かれたカラフルな獅子が、共に街の守護神となっています。孔子廟周辺の変電ボックスには、香炉など宗教的な絵柄は、まずシンプルな輪郭が描かれ、その後に色が丁寧に塗られました。大龍峒エリア独自の信仰や廟の文化が、変電ボックスのデザインで表現されており、街を歩けば、このエリアの雰囲気や美しさを感じることができるでしょう。
 
橋脚のペイント都市をより美しく
 
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▲公共設備も芸術的なペイントでいきいきと。(写真/ 陳徳龍)
 
デザインはそのエリアの環境的な特色を土台とし、そこに地元の素材や文化を取り入れたものです。国立台湾師範大学大学院芸術科博士課程に学ぶ黄旭辰さんの“キャンパス”は新生高架の橋脚です。他のアーティスト4 人と共に1 ヶ月間もかけ、南京東路と長春路の交差点の橋脚に台北をイメージしてペイントしました。黄さんは、新生高架下を流れる瑠公圳という水路をイメージの一部にし、台北市立動物園の人気者のパンダ、ペンギン、タイワンツキノワグマなどが壮大なコンクリートの橋脚を躍動する様子をデザインしたと言います。
 
台北市文化局によると、WDC 台北2016 を見据えた美化計画は今年も続けて実施するとのこと。主要道路そばの変電ボックスや交通信号制御機、電話会社の通信ボックスなども引き続きペイントする予定で、巨大な壁画を描く計画もあります。景観やデザインなどの専門家によりデザインを選定し、今年下半期に施行する予定です。WDC台北2016 が近づき、台北市の街並みはユニークなデザインが存在する景観へと変貌をとげていくでしょう。
 
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▲タイワンツキノワグマが橋脚で跳ねる様子が楽しい。(写真/ 黄旭辰)
 
WDC 台北2016「設計之都」(デザイン・シティ)理念のもと、博物館から街の看板にいたるまで、あらゆるデザインが台北の都市の魅力を自由自在に表現しています。文化局も、創意工夫を重ね台北の景観がよりすばらしいものになることを期待しています。公共のアートは必ずしも精緻な芸術作品である必要はなく、街頭の公共設備に新しくペイントを施すだけで、街並みは一新するのです。今度台北を散策するときには、足を止めてじっくり観察してみてください。曲がり角にびっくりするようなデザインが待っているかもしれません。
 
文 蔡依蒨  写真 台北市文化局
 

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