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TAIPEI　#15 (2019 春季号)

台湾の習慣を知る　祝花の常識

文 = Jenna Lynn Cody
写真 = Ivan Jevtic, César Gaviria, Niccole Lim, Alisa Anton, Natasha Welingkar, Rebecca Matthews 


台湾に春が訪れると各 地で花の開花シーズンが 始まります。早春はオラ ンダカイウが陽明山を飾 り、パンヤノキの花は台 南で人々を魅了します。 晩夏にはワスレグサが海 岸山脈一面を覆い花の絨 毯を作って美しい風景を 作ります。 

また、楊梅区と古坑郷 という地域では歴史ある 客家民族が白い桐(キ リ)の花を民族の象徴と していて、伝統的な布に も牡丹の花を用いるなど 台湾の歴史と密接な関わ りを持っています。習慣 という点では昔から誕生 日や結婚式、葬式、開業 祝いなどシーンに応じて 花を贈ってきました。 

台湾訪問や長期滞在を する場合には、こうした 歴史や習慣を知っておく と良い人間関係を構築す る事ができ、生活やビジ ネスを始める際に役立て る事ができます 。

誕生日に贈る花 
カランコエ ( 長寿花 ) 
カランコエは開花時期が 12 月頃と遅い割に開花期間が半年ほど と長期に渡り、台湾では「長寿の花」として知られているので誕 生祝いに贈ると喜ばれます。 (写真_César Gaviriam)

オモト ( 万年青 ) 
台湾中国語で万年青はエバーグリーン ( 不朽 ) という意味があり ます。中国語では「一万年続く青 ( グリーン)」や「永遠の青春」 という意味になります。 

結婚式で贈る花 
バラ ( 薔薇 ) 
赤い色は幸せとロマンティックの象徴なので、友達の結婚式には赤い バラを贈る事が多いです。ただ、トゲがあると不幸を表すのでバラの 花を贈る際はトゲのない品種を選びましょう。 (写真_Niccole Lim)

ユリ ( 百合) 
一般的にワスレグサと混同しがちですが、ユリの花は「百年好合 (百年間の幸せ)」という花言葉があり、結婚式で用いられるポピ ュラーな花です。また、純潔さや無邪気な愛情の象徴でもあります。 

ビジネス関連の際に贈る花 
ボタン ( 牡丹 ) 
台湾では開業祝いとして贈られます。牡丹は長寿な多年生草で、甘美 で上品な香りを放つことから富と裕福の象徴とされています。台湾で は新規事業を立上げるとテープカットを行いますが、そこでは必ず牡 丹が使用されます。 (写真_Alisa Anton)

サルスベリ (紫薇) 
サルスベリはポインセチアと同じ赤い花を咲かせ、開花時期も長いこ とから人気があります。旧称は「百日紅」で、「百日もの間、盛んに 繁盛する」という意味があります。 


病気を見舞う際の花 
カーネーション ( 康乃馨 ) 
カーネーションは天恵と暖かい祝福を表している為、結婚式や母の日 に贈られるだけでなく、お見舞いの際に贈る花でもあります。但し、 お見舞いの場合は優しい思いや友情という意味を込めて淡いピンクや 紫、黄色がふさわしいです。 (写真_Natasha Welingkar)

カスミソウ ( 滿天星 ) 
カスミソウは思いやりと純粋な感情を表す優しい花として知られてい ます。カーネーションとカスミソウで作った花束は良く病気お見舞い の際に贈られます。 

お悔みに贈る花 
菊の花
菊の花は悲しいお別れの意味をもちます。特に白い菊の花はお悔み や「さよなら」の意味を持つため日本と同様に台湾、中国でもお葬 式の際に使われます。荘厳な雰囲気の場合は白と黄色を組合わせる 場合もありますが、あまりに色彩が雑多になる組合わせは避けるべ きです。アジア各国では気品の高さの象徴でもあり、幸せな場面で も菊の花を飾りますが、赤色は避けます。 (写真_Rebecca Matthews)