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家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節 (TAIPEI Quarterly 2019 冬季号 Vol.18)

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発表日:2019-12-12

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TAIPEI #18 (2019 冬季号)

家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節

文= 楊芷菡 編集= 下山敬之 写真= 林健兒、台北市観光伝播局

旧暦1月15日の元宵節は「小正月」とも呼ばれています。一年の中で最初の満月を見ることができるこの日は、各家庭で提灯を飾ります。他にもランタン見物や、燈謎という中華式なぞなぞを楽しむ、元宵(団子スープ)を食べるなど伝統的な風習で盛り上がります。

中華民俗芸術基金会の林明徳(リンミンダー)董事長は元宵節の由来と起源について、後漢の皇帝は仏教を信仰していたため、毎年1月15日には燃燈行事を行うようになり、この習慣が徐々に人々に広がっていったと話します。さらに道教の行事である三元では、上元と呼ばれる1月15日が天官大帝の誕生日ということで、人々は集会を開きランタンに明かりを灯して幸福を祈願したといわれています。これが元宵節の由来となったそうです。家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節▲2020年の台北ランタンフェスティバルでは北門広場がライトアップされます。(写真/台北市観光伝播局)

元宵を食べる、ランタン鑑賞と切り絵
元宵節では元宵を食べて家庭円満を祈願することが一般的な習慣となっています。「元宵」と「湯圓」は混同されがちですが、中国北部では「元宵」、南部では「湯圓」というように呼び名が異なります。また、名前以外にも作り方の違いがあります。「元宵」は、餡をもち米粉の上で転がし周囲に粉をつけていきます。一通り粉がついたら周囲に粉をつけて更に大きくしていきます。これを適当な大きさになるまで繰り返します。「湯圓」は、もち米粉で先に生地を作り、餡を中に入れて団子状に仕上げます。

元宵を食べた後はランタン鑑賞に出かける準備をします。他の中華圏と比べ、台湾の元宵節は特徴があります。一昔前は、各地の寺院でお祭りが開かれ、女性たちはランタンの前で膝をつき男の子が生まれるようお祈りをしました。現在でも行われているのは「剪紙」という中国の伝統的な切り絵細工のイベントで、これは伝統的な模様の切り絵をランタンに貼るというものです。独創性や芸術性、文化性などの要素が盛り込まれた元宵節には欠かせない伝統的な行事となっています。

昼夜を彩る 独創的なランタン
元宵節の目玉と言えばランタンです。この時期になると各地の寺院には緻密に作られたランタンが設置され、鮮やかなイメージとなります。現在は、各地域の自治体が自然景観と生活文化を組み合わせたテーマをもとに、思わず見とれてしまうような大規模なランタンを展示しています。

中華ランタン芸術学会の元会長であり、30年以上に渡りランタン作成に携わっているランタンアーティストの林健児(リンジエンアー)さんは次のように話します。「伝統的なランタンは竹ひごなどの細く切った竹で骨組を作り、紙を表面にのりで貼り付けて作っていました。現代のランタンは鉄製のコイルを溶接して作られています。表面には透光性と弾性のある布を貼り付けますが、様々な色合いの布を使うことで彩り鮮やかなランタンが作られています。」家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節▲林さんは30年間に渡りランタンを製作してきた大ベテランです。

全体的な構造、形のオリジナル性、装飾に使用する材料、ライトの色など全てがランタンという芸術を構成する要素です。林さん曰く、人の形をしたランタンが一番難しいそうで、「人体の数倍のサイズを作ろうとすると歪みが生じることから、通常は製作に入る前に図を描いて模型を作る必要があります。」と話しています。

台北城に轟く 飛龍のランタン
林さんは、1983年に国父紀念館で開催された大規模なランタンパレードがランタンフェスティバルの前身だと話します。中でも、子どもたちが歴史上の人物に扮した姿で練り歩く際に使用された「山車」は、現在の電気式ランタンへと発展しました。

第一回目から現在まで全てのランタンフェスティバルに参加している林さんが、過去のイベントの中で特に印象に残っているのは、2000年に中正紀念堂に展示された「千禧祥瑞九龍灯」だそうです。「龍は水をもたらすと言われていますが、不思議なことにこの年はイベント期間中10日以上雨が続きました。そのため、観覧に来られた方たちは雨の中でランタンを見るしかありませんでした。」と当時の様子を教えてくださいました。家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節▲2012年の台北ランタンフェスティバルで披露した作品「祥龍献瑞」。

来年は台北改革 市内で鑑賞可能に
2020年に台北で開催されるランタンフェスティバルは、2月8日から16日まで、史上初の2箇所同時開催を行います。西区の会場は前年と同様に中華路一段、北門広場と交八広場一帯で開催され、今回初となる東区の会場は南興公園と南港駅周辺となります。映像、音響、照明などの双方向技術を駆使して台北に新しいモダンな雰囲気を作り出します。

上記以外にも祈福ランタンフェスティバルという伝統的なイベントがあるので、もっとたくさんのランタンを見たいという方におすすめです。例えば、龍山寺は毎年旧暦の1月15日から2月19日まで「平安総燈」と書かれた大きな提灯やその年の干支の形をしたメインのランタンが設置され、多くの人がこの場所で翌年の平和を祈願します。また、東西にある廂房と呼ばれる部屋には、牌楼という門にランタンが吊るされていて、よりお祭りのような雰囲気を味わうことができます。

2月新春に行われる元宵節は、家族や親族などが集まり一緒に伝統的な祭日を過ごすことに大きな意義があるので、ご家族を誘って美しい台北のランタンフェスティバルを楽しんでみてはいかがでしょうか?家族で祝う 旧暦1月15日の元宵節▲林さんは2014年に生きているような駿馬のランタンを製作しました。

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