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カナダ駐台北貿易事務所 マリオ・サント-マリー所長 (TAIPEI Quarterly 2017 夏季号 Vol.08)

アンカーポイント

発表日:2017-07-19

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カナダ駐台北貿易事務所
マリオ・サント-マリー所長

_ Rick Charette 写真 _ 楊佳穎
 

さかのぼること2008年、1人の男性が政府の投資促進チームの一員として遠い北の国から台北に到着した。Ilha Formosa──“麗しの島”と1500年代初期にポルトガル人の船乗りによって名付けられたこの地にやってきたのはそれが初めてだった。彼の国の人々は祖国を“Great White North(北の白い大地)”と愛を込めて呼ぶ。彼は台北でわずかな時間を過ごした後、台湾が同じように素晴らしい場所だと思うようになった。

彼の名はマリオ‧サント-マリー。母国はカナダ。偶然にも、彼はあの訪問よりはるかに長い時間を台湾で幸せに過ごしています。サント-マリーさんとは、カナダ駐台北貿易事務所(CTOT)の事務所長、その人です。

サント-マリーさんはニューデリーとシドニーで外交官を務めた後、台湾へやってきました。「台北の役職をオファーされたのは幸運でした。シドニーと台北はアジア‧オセアニア地域で最も需要があり、人気も高いポジションです。現在、私は間を置かず3カ所目の海外任務に就いていますが、外交官としては非常に珍しいことです。」と感謝の言葉を口にします。

2008年の台湾滞在はとても短く、わずか数日間でした。印象は「たくさんのオートバイ、そして美味しい食べ物がある非常に忙しい町」だったそうです。そして「高度な技術的進歩にも感銘を受けました」と言います。
TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   カナダ駐台北貿易事務所 マリオ・サント-マリー所長

▲  CTOTががしていること

「私の主な任務は台湾におけるカナダの認知度を高めること。そしてカナダと台湾の友好と協力関係を強化することです。」

サント‐マリー事務所長によれば台湾には約6万人のカナダ人がおり、ほとんどが二重国籍者だそうです。CTOTは、この世界で4番目に大きいカナダ人国外居住者コミュニティを形成する人々に対して各種業務を行っています。CTOTはまた重要な通商サポートチームもあり、カナダ企業と台湾企業の提携を促進しています。「台北101のチューンドマスダンパー(地震や風の揺れを抑える制振装置で、観光スポットにもなっている)はカナダの技術で作られたもので、私はこれを非常に誇らしく思います。またカナダのボンバルディア社は台北MRTに車両を提供しています。このほか、教育や観光を通じてカナダと台湾の人々の友好を促進することも私たちの仕事です。どちらの国でも観光客は大きく増加しています。CTOTはまた台湾政府とエネルギー、社会の高齢化などの課題を共有しています。」(写真/楊佳穎)



 

台北──素晴らしい配属先

なぜ台北が配属先として人気が高いのか、サント-マリーさんは「一番にこの街は非常に感じが良い。アジアの主要な首都を見ると、都心に住んでいて汚染が大きな問題とならない都市は多くありません。さらにすべてが機能しています。もちろんここは都会ですから、交通の混雑はあります。しかしインフラが整備されているので、公共交通機関で簡単に目的地に行くことができます」と説明します。

「そして人々が魅力的です。彼らは控えめです。大都市にいるのにストレスを感じることがありません。台北MRTに乗る時─私もそうしますが─みんな並んで待ちます。誰もが非常に礼儀正しく規律を守り、生活をより快適なものにしています。言葉が話せなくても誰かが助けてくれます。英語を話せないとしてもね。これは大きな利点です。オープンな社会は民主的で、個人の権利が尊重されています。非常に安全な町でもあります」サント-マリーさんは、世界ランキングで台北が世界で最も安全な都市のひとつに選ばれていると語りました。

「加えて、台北は上質なレストランがあることでも高く評価されています。ですから体調を悪くする心配はありません。気候も快適です。23カ月雨の季節はありますが、他の地域では6カ月雨が続くところもあります。」

また台北からわずか23時間で東京、マニラ、香港、上海、北京など他の魅力的な場所へ行くことができます。

「これらすべてがひとつになった街です。子供がいれば、さらにパーフェクトですね。」
 

印象─今と昔

2008年当時の印象と、駐在してから感じるようになった印象について、サント-マリーさんは話します。「もちろん今も食べ物は素晴らしく、オートバイもたくさん走っています。しかし最も印象的なのは人。これは台湾の重要な財産ですよ。非常に礼儀正しく友好的ですが、これは日本統治時代(18951945年)から受け継がれたものかもしれません。と同時に非常に表情豊かに思いを表現してくれます。これは素晴らしいことです。」

「もうひとつ、ここで強い印象を受けるのは仕事に対する倫理観です。これについて他国に拠点を置く同僚たちと話し合うのですが、台湾の人々は非常に勤勉で献身的です。同僚たちすべてが同意し、この見方を支持しています。」

民間企業でも同じだと言います。「広州のある企業と一緒に働く人から、台湾で1人がやる仕事を中国でやると3人必要だと聞きます。台湾の労働者は効率や、結果を出すことに強い意欲を示します。」

また、せわしない都会にも関わらず、台北ではリラックスできる場所を簡単に見つけられるのもお気入りです。「街の作りが好きです。碁盤目状に作られた主要道路、その中を小さな通りと路地が走っています。小さな公園もあり、大都会でも車やオートバイの音が聞こえない静かなオアシスが簡単に見つかります。素敵なお店やカフェ、食堂が集まるゆったりした場所に“静けさの島”が作られています。とても合理的ですね。」

偶然にも、サント-マリーさんが台北に着任したのは前回の総統選挙の直前でした。「とても印象的でしたね。歴史の浅い民主主義の中、選挙がいかに穏やかだったか。政権の引き継ぎも平穏に進みました。初めから終わりまで、選挙の前後にもデモがありましたが、すべてが整然と行われました。この表現の自由や、それがこんなに短期間に確立したことに感銘を受けました」台湾は他の国々に先駆け輝かしい先例になったと言います。
 

故郷と台北──ライフスタイルの違い

「外食する人はカナダより多いです」と彼は言います。「ここにはリーズナブルで良い選択肢がはるかに多いです。カナダよりも家が小さいことが理由のひとつのようで、レストランが社交の場となっています。他にお気に入りの生活習慣はよく歩くことです。カナダでは牛乳やパンを買うようなことにも車が必要ですが、台湾なら12分歩けばすぐコンビニがあります。」

この他の日常生活のニーズもほとんど全てが満たされている、と彼は付け加えます。台北は大都市にしては生活費が比較的安いそうです。サント-マリーさんは台北の役職に就任した後、自動車を購入しようと思っていましたがその必要はないことにすぐ気づきました。奥さんとこの島のどこかへ出かける時はいつも車をレンタルしています。
 

台北で経験すべきこと

この街を本当に楽しむなら、やるべきことがいくつかある、とサント-マリーさんは言います。「自転車に乗ること。私は妻と自転車であちこち走り、家族経営の食堂やカフェ、いろんな店を見つけるのが大好きです。この街は“自転車での探検”にふさわしい。レンタサイクルを利用すれば簡単です」彼はまた自転車レンタルスポットが点在する川沿いのサイクリングコースも気に入っています。

「それに家族で切り盛りする地元の食堂が大好きです」と言います。「親切で、自分の料理に誇りを持っています。台湾の屋台料理もおすすめします。冒険してください。夜市には探究するべきグルメがすべてあります」つい最近、猪血糕(ブタの血にもち米を加えて蒸したもの)のモチモチした食感の魅力を知ったそうです。

台北は山の境界と登山道が都心に近く、台北盆地を真下に望むことができます。熱心なハイキング愛好家でもある彼は、「簡単にハイキングできます。周囲を囲む山々にたった30分で登ることができるんです。台北での生活は容易に自然と触れ合えます。街の大きさの割に、素晴らしいハイキングコースがたくさんあります。天気の良い日には台北市立動物園へ行って、それから猫空ロープウェイで山へ登ります」と語ります。猫空は魅力的な茶芸館が多数あるお茶の産地です。

1人よりグループ—とくに友達となら、別のおすすめもあると言います。「もし他の人たちとなら、西門町(数多くの由緒ある劇場や映画館、歩行者天国のショッピングストリートで有名)で映画を観ると楽しく夜を過ごせます。それから店を覗いてみたり、人間観察をしたりして、最後に地元のマッサージ屋さんで足裏マッサージをするんです。」
 

海外の旅人が考える台北の都市計画

サント-マリーさんは、台北の都市計画に対する自身の意見は先入観—例えば好みの余暇の過ごし方などに基づいている、と言います。「台北は優れた公共交通システムと素晴らしいサイクリングコースがありますが、もっと増やすべきだと思います。これらは国際的にアピールできる大きな魅力です。それに電車の乗車券の購入なども、もっと簡単にできると思います。地元の人にとって簡単な手段はいくつかあるけれど、セブンイレブンのibon(マルチコピー機)のような端末の操作は中国語が分からない人々のことを考慮していないからです。」

台北はアジアで最も暮らしやすく愛すべき町のひとつだと、サント-マリーさんは繰り返します。「主要な大都市、とくに首都は人々をその国へ引き込む強い魅力を持っているものです。ここには確固たるブランドを創造する素晴らしい可能性があります」そしてこれは国際的なマーケティングにおいて、台北市だけでなく中央政府の課題でもあると確信しています。

TAIPEI 夏季号 2017 Vol.08   カナダ駐台北貿易事務所 マリオ・サント-マリー所長

▲  ハッピーバースデー、カナダ!

186771日、英国の植民地から生まれたカナダという若い国家にとって、今年は重要な年です。CTOTはこの国の建国150周年を祝うため、1年を通じて数々の特別なイベントを開催します。524日に実施された「カナダ150」記者会見では、サント‐マリー事務所長がエアカナダのバンクーバー/台北線が14年の歳月を経て再開すること、さらにアパレルブランド「ルーツカナダ」の旗艦店が台北101にオープンし、この由緒あるカナダ企業の115番目の店舗となることを発表しました。71日には年に1度の「カナダ・デー」が台北市客家文化テーマパークで開催されます!また10月には「マッカイ博士チャリティーパーティー」が行われます。詳細はCTOTのウェブサイト(www.canada.org.tw).をご覧ください。(写真/楊佳穎)

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